日別アーカイブ: 2019年8月23日

第104回薬剤師国家試験 問173

第104回薬剤師国家試験 問173

ある固体薬物Aに粉砕や再結晶などの処理を行ったところ、下図の粉末X線回折パターンを示す固体a、b、cが得られた。別の方法で再結晶を行ったところ、異なる回折パターンを示す固体dが得られた。次の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。 ただし、粉末X線回折測定に必要な前処理により、薬物Aの化学変化や固体組成の変化は生じないものとする。

1 固体a〜dの回折パターンを比較することにより、それぞれの結晶の外観の相違を判断できる。
2 固体aと固体bの回折パターンを比較することにより、固体aの水分量は固体bより多いことが判断できる。
3 固体aと固体dの回折パターンから、両者の結晶の単位格子の大きさが異なっていることが判断できる。
4 固体bと固体dは、結晶多形の関係にあると判断できる。
5 固体cの回折パターンから、本品の結晶性は著しく低いことが判断できる。

 

 

 

 

 

 


解答
4、5


解説
粉末X線回折パターンから得られる回折図については、以下の特徴を示す。
・同じ結晶構造を有する(単位格子の大きさが同じ)ものは、同じ回折角の部分に回折強度が強く現れる。
・異なる結晶構造を有する(単位格子の大きさが異なる)ものは、異なる回折角の部分に回折強度が強く現れる。
・結晶構造を有していないもの(非晶質)は、明確な回折強度は現れない。
上記より、固体a、dは同じ回折角度に回折強度が現れていることから、固体a、dは単位格子の大きさが同じであり、固体a、dと固体bでは、異なる回折角度に回折強度が現れていることから、固体a、dと固体bは異なる結晶構造を有している(結晶多型である)と考えられる。また、固体cは明確な回折強度が現れていないことから、結晶性が著しく低い(非晶質である)と考えられる。

分析バリデーション

バリデーション

 バリデーションとは、医薬品の製造工程、手順、品質管理の方法に問題ないかを検証することである。バリデーションには様々なものがあり、分析法を対象としたものを分析法バリデーションという。

分析法バリデーション

分析法バリデーションとは、医薬品の試験法に用いる分析法が適切であるかを検証することであり、日本薬局方では、以下のように定義されている。
分析法バリデーションとは、「医薬品の試験法に用いる分析法が、分析法を使用する意図に合致していること。すなわち、分析法の誤差が原因で生じる試験の判定の誤りの確率が許容できる程度であることを科学的に立証することである。」と定義されている。

分析能パラメーター

分析法バリデーションでは、分析法の妥当性を示すために評価する必要があるパラメーターが定められている。このパラメーターを分析能パラメーターという。分析能パラメーターには、「真度」「精度」「特異性」「検出限界」「定量限界」「直線性」「範囲」がある。


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