日別アーカイブ: 2019年8月14日

測定値の取扱い

 国際単位系SI

分析により得られた測定値は、一般に単位を有していることから、測定値を正確に取り扱うためには、単位を把握しておく必要がある。測定値の単位については、一般に国際単位系(SI)用いられており、国際単位系(SI)には、「SI基本単位(7個)」とSI基本単位を組合わせて新たな物理量を定義した「SI組立単位」及び10のn乗を表す「SI接頭語」が定められている。

1)SI基本単位

2)SI組立単位

3)SI接頭語
SI接頭語は、大きな数字、小さな数字を表すときに用いられる。


2 濃度の単位

日本薬局方では、「モル濃度」「質量百分率」など、様々な濃度の単位が用いられている。
・モル濃度(mol/L):溶液1L中に含まれる溶質の物質量molを表す。
・質量百分率(%):溶液100 g中に含まれる溶質の質量(g)を表す。
・体積百分率(vol%):溶液100 mL中に含まれる溶質の容量(mL)を表す。
・質量対容量百分率(w/v%):溶液100mL中に含まれる溶質の質量(g)を表す。
・質量百万分率(ppm):100万分の1を表す(µg/g)

上記以外にも、日本薬局方の試験法では、濃度の表示法として、(1→100)や(1→1,000)が用いられている。例えば、(1→100)では、固体1 g、または液体1 mLを溶媒に溶かし、全量を100 mLとすることを表している。


3 有効数字

 有効数字とは、測定結果を表すにあたって意味のある数値のことであり、確実な桁の数字に不確実の桁の数字を加えたものである。

ビュレットを用いて溶液をはかりとる際、ビュレットの最小目盛り0.1mLの桁を読み取るとともに、さらにその10分の1である0.01 mLの桁を目測する。たとえば、ビュレットである溶液を測定した結果、その数値が15.33 mLである場合、15.3までは確実な数字、0.03は不確実な数字(目測した数字)であり、これらの数値を加えあわせた15.33が有効数字となる。

1)有効桁数
 12500の場合については、下2桁の0が有効であるか明確でない。そこで、12500を「1.25×104」、「1.2500×104」と表すことにより有効桁数が明確になる。
「1.25×104」と表記されている場合には、下2桁の0については有効でないことを表しており、その有効桁数は3桁となる。また、「1.2500×104」と表記されている場合には、下2桁の0についても有効であることを表しており、その有効桁数は5桁となる。
0.125の場合については、0でない最高位の数字を一桁目と数え始め(0.125の場合、小数第一位の1が一桁目となる)、それ以降の桁数を数える。よって、0.125の有効桁数は3桁となる。

 2)数値の丸め方
 試験により得られた測定値をもとに計算する場合、有効数字を考慮して最終的に得られた数値を整理する。この操作を数値を丸めるという。日本薬局方においては、「n桁の数値を得るためには、通例、(n+1)桁の数値を求めた後、(n+1)桁の数値を四捨五入する」と規定されている。
数値を丸める際、注意すべきこととして、試験より得られた測定値をもとに計算し、最後に得られた数字を四捨五入することである。

 3)加減乗除での数値の取扱い
 有効数字を考慮した測定値の加減計算では、それぞれの数値の中で小数点以下の桁数が最も少ない数値に支配される。一方、乗除計算では、それぞれの数値の中で有効桁数が最も少ない数値に支配される。
例)有効数字を考慮した、2つの測定値1.231、0.32132の和について

①計算する
1.231+0.32132=1.55232

②小数点以下の桁数を確認する
1.231:小数第3位
0.32132:小数第5位
1.231が小数点以下の数値が最も少ない:少数第3位

③有効である桁数を考慮し、四捨五入して計算結果に反映する。
1.552

例)有効数字を考慮した、2つの測定値1.231、0.32132の積について

①計算する
1.231×0.32132=0.39554492

②有効桁数を確認する
1.231:有効桁数4桁
0.32132:有効桁数5桁
1.231の有効桁数が最も少ない:有効桁数4桁

③有効である桁数を考慮し、四捨五入して計算結果に反映する。
0.3955

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第104回薬剤師国家試験 問159

第104回薬剤師国家試験 問159

成長ホルモン(GH)関連薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 ブロモクリプチンは、下垂体のGH産生細胞に作用し、GHの産生・分泌を促進する。
2 ペグビソマントは、GH 受容体を選択的に遮断し、インスリン様成長因子−1 (IGF–1)の産生を抑制する。
3 メカセルミンは、下垂体のソマトスタチン受容体を刺激し、GH や甲状腺刺激ホルモン(TSH)の産生・分泌を抑制する。
4 ソマトロピンは、IGF–1の産生を誘導し、軟骨内骨形成を促進する。
5 オクトレオチドは、下垂体のドパミンD2受容体を刺激し、GH やプロラクチンの産生・分泌を抑制する。

 

 

 

 

 

 

 


解答
2、4


解説

1 誤
ブロモクリプチンは、ドパミンD2受容体刺激薬であり、下垂体のドパミンD2受容体を刺激し、GH やプロラクチンの産生・分泌を抑制する。
2 正
ペグビソマントは、GH 受容体を選択的に遮断し、GHの2量体化に伴うシグナル伝達を抑制することによりインスリン様成長因子−1 (IGF–1)の産生を抑制する。

参考:GHとインスリン様成長因子−1の産生
GHは、2つのGH受容体に結合し、GH受容体を2量体化することによりインスリン様成長因子−1 (IGF–1)を産生する。

3 誤
メカセルミンはIGF–1製剤であり、各臓器に作用することにより成長促進作用を示す。
なお、設問は、オクトレオチドに関する記述である。
4 正
ソマトロピンは遺伝子組換え天然型ヒトGH製剤であり、IGF–1の産生を誘導し、軟骨内骨形成を促進する。
5 誤
解説3参照