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第104回薬剤師国家試験 問222〜223

第104回薬剤師国家試験 問222〜223

78歳男性。経営している会社の業務量が最近急増し、デスクワークが毎日続いたため、眼精疲労と肩こりを強く感じ、一般用医薬品を購入するため来局した。男性が所持していたお薬手帳により、服用中の薬を確認した。男性はパーキンソン病で以下の処方薬を服用していることが判明した。


問222(実務)
 現在、薬局には以下の成分を含む一般用医薬品がある。この男性に販売するのに適切なのはどれか。2つ選べ。


問223(物理・化学・生物)
 前問において、販売すべきでないと薬剤師が統合的に判断した根拠のうち、レボドパの代謝に関わる反応とそれに必要なビタミンの組合せとして正しいのはどれか。1つ選べ。

 

 

 

 

 

 

 


問222: 解答
3、4

問223:解答
2


解説
レボドパは末梢(血液中)でレボドパ脱炭酸酵素(芳香族L−アミノ酸脱炭酸酵素)の影響を受け、分解され(脱炭酸され)、中枢移行性が低下することがあるため、芳香族L−アミノ酸脱炭酸酵素の補酵素であるビタミンB6(ピリドキサール、ピリドキシン、ピリドキサミン)と併用することを避ける必要がある。
上記のことより、この患者にはピリドキサールリン酸(活性型ビタミンB6)、ピリドキシン塩酸塩を含む一般用医薬品を販売すべきではない。また、選択肢2はイブプロフェン(解熱鎮痛剤)、ジヒドロコデインリン酸塩(鎮咳薬)などが含まれている総合感冒薬であり、本患者の症状である眼精疲労、肩こりに効果が期待できないため、本患者に販売すべきではない。

第104回薬剤師国家試験 問220〜221

第104回薬剤師国家試験 問220〜221

88歳男性。独居。現在、高血圧症で以下の処方により在宅療養中であり、日中もほとんど寝たきりの生活をしている。

患者は過去に貼付剤による接触性皮膚炎を発症したことがある。また、患者は1人で服薬できないため、50 歳の一人娘が毎朝出勤前に薬の管理と服薬介助をしている。娘はこれ以上の介護負担は困難だと考え、将来に不安を感じている。医師からは、血液検査結果に異常は認められないが、最近、患者の嚥下能力が低下し始めているので、誤嚥に注意するように言われている。


問220(物理・化学・生物)
 患者の娘が仕事帰りに薬局に立ち寄り、「誤嚥はどのようにして起こるのですか」と薬剤師に質問した。正常な嚥下及び誤嚥の過程について、下図を用いた薬剤 師の説明として正しい組合せはどれか。1つ選べ。なお、下図は、口腔から食道・ 気管までの断面図である。

A 咽頭口部への移送
B 咽頭喉頭部への移送
C 喉頭蓋による気道の閉鎖
D アへの移送
E イへの移送

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


解答
5


解説
<正常な嚥下の過程>
咽頭口部への移送→咽頭蓋による気道の閉塞(この過程により誤嚥が起こらないようになっている)→咽頭喉頭部への移送→イ(食道)への移送  <誤嚥の過程>
咽頭口部への移送→咽頭喉頭部への移送→ア(気道)への移送


問221((実務)
本日の訪問診療で、医師は軽度アルツハイマー型認知症と診断し、薬局に処方提案を依頼した。依頼を受け、薬剤師はアルツハイマー型認知症に適応のある医薬品の用法及び剤形を表のようにまとめた。患者の生活状況、全身状態、疾患などを考慮して、訪問医に追加提案する薬剤として最も適切なのはどれか。1つ選べ。

1 ドネペジル塩酸塩口腔内崩壊錠
2 ガランタミン臭化水素酸塩口腔内崩壊錠
3 ガランタミン臭化水素酸塩内用液
4 リバスチグミン経皮吸収型製剤
5 メマンチン塩酸塩口腔内崩壊錠

 

 

 

 

 

 

 


解答
1


解説
以下の点より、訪問医に追加提案する薬剤として適切なものを選択する必要がある。
・以前に貼付剤により接触性皮膚炎を起こしている
→貼付剤であるリバスチグミンは不適
・これ以上の介護負担は困難(服用回数をこれ以上増やすことは困難)
→1日2回服用する必要があるガランタミンは不適
・軽度のアルツハイマー
→中等度〜高度のアルツハイマー型認知症に用いるメマンチンは不適

第104回薬剤師国家試験 問218〜219

第104回薬剤師国家試験 問218〜219

27歳女性。 1年前に結婚し、近いうちに子供が欲しいと考えている。自分の母子手帳を確認したところ、麻しんワクチンの接種記録が1回であった。近隣の病院に設置されたお薬相談コーナーに、麻しんワクチン接種の相談に訪れた。麻しんワクチン製剤は現時点で入手の見通しが立たないので接種できないが、当該病院には麻しん風しん混合ワクチン製剤の在庫がある。

 問218(実務)
相談を受けた薬剤師が、この女性に行う説明として適切なのはどれか。2つ選べ。

1 麻しんワクチン接種歴が1回あるので、追加のワクチン接種は必要ありません。
2 マスクを着用し、手洗いをすれば、ワクチン接種は必要ありません。
3 麻しんワクチンの代替として、麻しん風しん混合ワクチンを接種できます。
4 妊娠していても、ワクチン接種はできます。
5 ワクチン接種後約2ヶ月間は妊娠しないように注意してください。

 

 

 

 

 

 

 

 


解答
3、5


解説
1 誤
麻しんワクチンは、1回接種のみでは、2〜5%程度免疫が十分に得られない場合があるが、2回接種すると、免疫を獲得することができる割合が97〜99%以上になるとされていることから、麻しんワクチンは、2回接種することとされている。
2 誤
麻しんウイルスは、空気感染(飛沫核感染)するため、マスクの着用や手洗いをしても感染することがある。麻しんを予防するための有効な方法として、麻しんワクチンを接種する必要がある。
3 正
4 誤
麻しん風しん混合ワクチンは、弱毒生ワクチンであり、妊婦に投与禁忌とされている。また、麻しん風しん混合ワクチン接種後約2ヶ月間は妊娠しないようすることとされている。
5 正
解説4参照


問219(物理・化学・生物)
この女性への説明事項の根拠として適切なのはどれか。2つ選べ。

1 麻しんウイルスは、主として腸管粘膜で増殖し、リンパ節へと拡散する。
2 麻しんウイルスは、回帰発症により帯状疱疹を生じさせる。
3 麻しんウイルスは空気感染はせず、飛沫感染及び接触感染によって伝播する。
4 麻しん風しん混合ワクチンは、麻しんワクチンと同様に麻しんウイルスに対する細胞性免疫を獲得させる。
5 麻しん風しん混合ワクチン中の麻しんワクチンは、弱毒生ワクチンである。

 

 

 

 

 

 

 

 


解答
4、5


解説
1 誤
麻しんウイルスは、主として気管支粘膜で増殖し、リンパ節へと拡散する。
2 誤
麻しんウイルスは、帯状疱疹の原因とはならない。なお、回帰発症により帯状疱疹を生じさせるのは、水痘・帯状疱疹ウイルスである。
3 誤
麻しんウイルスは、空気感染(飛沫核感染)、飛沫感染及び接触感染によって伝播する。
4 正
麻しん風しん混合ワクチンは、麻しんワクチンと同様に弱毒生ワクチンであり、麻しんウイルスに対する細胞性免疫および体液性免疫を獲得させる。
5 正 

第104回薬剤師国家試験 問216〜217

第104回薬剤師国家試験 問216〜217

78歳女性。体重45 kg。骨粗しょう症、うつ病及び不眠症のため下記の処方薬を服用していた。最近、食欲がなくなり、とても体がだるいとの訴えを聞いた家族が、この女性を通院中の病院に連れて来たところ、そのまま入院となった。

入院時の検査の結果、低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム高値、 高張尿が見られた。しかし、脱水症状は無く、腎機能及び副腎皮質機能が正常であり、上記以外の疾患はなかった。その結果、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)と診断された。診断した医師から薬剤師に薬学的管理について相談があった。

 問216(実務)
この患者の薬学的管理に関する提案として適切なのはどれか。2つ選べ。

1 アルファカルシドールカプセルの中止
2 パロキセチン錠の中止
3 ゾピクロン錠の中止
4 塩化ナトリウムの投与
5 積極的な水分摂取


問217(物理・化学・生物)
この患者の検査結果で見られた異常の原因として適切なのはどれか。1つ選べ。

1 腎臓の集合管におけるプロテインキナーゼA活性の阻害
2 腎臓の集合管での水分の再吸収の促進
3 腎臓のヘンレループ上行脚における Na/K/2Cl共輸送体の阻害
4 腎臓のヘンレループ下行脚での水分の再吸収の促進
5 下垂体後葉からの抗利尿ホルモン(バソプレシン)分泌の抑制

 

 

 

 

 

 

 

 


問216:解答
2、4

問217:解答
2


解説
抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)では、抗利尿ホルモン(バソプレシン)が持続的分泌され、腎臓の集合管で水分の再吸収が促進されることにより低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム高値、 高張尿が認められる。
本症例では、うつ病、不眠症以外の疾患がなく、SIADHと診断されていることから、薬剤性SIADHであると推察される。薬剤性SIADHでは、原因薬物を中止するとともに低ナトリウム血症を解消する目的で塩化ナトリウムを投与する必要がある。処方薬のうち、パロキセチン錠は重大な副作用としてSIADHを起こすとの報告があることから、パロキセチン錠を中止し、塩化ナトリウムを投与する必要がある。

第104回薬剤師国家試験 問214〜215

第104回薬剤師国家試験 問214〜215

50歳女性。3ヶ月前から、ふくらはぎがつることで眠れないなどの症状が出たので、市販の漢方薬Aを服用していた。今回、両下腿浮腫が発現したので、近医を受診し、胸部レントゲン検査にて心拡大を認めたため入院となった。血圧160/64 mmHg、脈拍78回/分、血清カリウム値3.1 mEq/L。動脈血ガス検査にて代謝性アルカローシスを認めた。心電図は正常。心臓超音波検査にて、心機能正常 だが心嚢液貯留を認めた。


問214(実務)
漢方薬Aはどれか。1つ選べ。

1 芍薬甘草湯
2 八味地黄丸
3 半夏厚朴湯
4 大建中湯
5 牛車腎気丸

 

 

 

 

 

 


解答
1


解説
 本症例では、ふくらはぎがつることを改善するために市販の漢方薬Aを服用していたことから、漢方薬Aは、芍薬甘草湯であると推察される。
1 正
芍薬甘草湯は、急激におこる筋肉のけいれんを伴う疼痛、筋肉・関節痛、胃痛、腹痛に用いられる。
2 誤
八味地黄丸は、疲労、倦怠感が著しく、尿量減少または頻数、口渇し、手足に交互的に冷感と熱感のあるものの腎炎、糖尿病、陰萎、坐骨神経痛、腰痛、脚気、膀胱カタル、前立腺肥大、高血圧に用いられる。
3 誤
半夏厚朴湯は、 気分がふさいで、咽喉、食道部に異物感があり、ときに動悸、めまい、嘔気などを伴う不安神経症、神経性胃炎、つわり、せき、しわがれ声、神経性食道狭窄症、不眠症に用いられる。
4 誤
大建中湯は、腹が冷えて痛み、腹部膨満感のあるものに用いられる。
5 誤
牛車腎気丸は、疲れやすくて、四肢が冷えやすく尿量減少または多尿で時に口渇がある、下肢痛、腰痛、しびれ、老人のかすみ目、かゆみ、排尿困難、頻尿、むくみに用いられる。


問215(物理・化学・生物)
 前問における漢方薬A服用後の症状の発現の原因となる生薬成分は、腸内細菌による加水分解を受けたのちに吸収される。加水分解後の化学構造はどれか。1つ選べ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


解答
5


解説
 本患者は、血圧が高く(160/64 mmHg)、血清カリウム値(3.1 mEq/L)が低いことから偽アルドステロン症の症状が現れている可能性があると考えられる。漢方薬Aの構成生薬は、シャクヤク、カンゾウであり、カンゾウの有効成分であるグリチルリチン酸により偽アルドステロン症を誘発することがある。
カンゾウの有効成分であるグリチルリチン酸は、腸内細菌のβ−グルクロニダーゼにより加水分解を受けグリチルレチン酸(選択肢5)に代謝される。

薬物の標的分子

講義動画

薬物の標的となる場所として、受容体、酵素、イオンチャネル、トランスポーターなどがある。本章では、薬物の標的となる受容体、酵素、イオンチャネル、トランスポーターについて概説する。

1 受容体

受容体はタンパク質で構成されており、受容体に生体内伝達物質(神経伝達物質、ホルモン、オータコイドなど)や薬物が結合すると細胞内シグナルが発生する。受容体には細胞膜上に存在するものや細胞質、核に存在するものがある。
細胞膜上に存在する受容体は、アゴニストが結合した際に生じるシグナルの伝達様式から3種類に分類することができる。
①グアノシン三リン酸(GTP)結合タンパク質と共役するもの
②イオンチャネル内蔵型のもの
③受容体に酵素部位を有するもの

見出しタイトル
受容体の詳細については、「受容体と情報伝達系」を参照してください

2 酵素

酵素は、生体内に存在する高分子タンパク質であり、生体内反応を促進する作用を有する。薬物の中には、酵素反応を促進または阻害することにより効果を示すものが存在する。

3 イオンチャネル

イオンチャネルには、Ca2チャネル、Naチャネル、Kチャネル、Clチャネルが存在する。1)Ca2チャネル
 細胞内のCa2濃度は、細胞外に比べ1000分の1〜10000分の1程度であり、筋収縮、ホルモンの分泌、神経伝達物質の放出には、細胞内のCa2濃度の上昇が必要である。細胞内Ca2濃度の上昇には、細胞外からのCa2の流入と、細胞内でのCa2の遊離が関与しており、Ca2チャネルは、細胞外からのCa2の流入、細胞内貯蔵部位からのCa2の遊離経路として重要な役割を果たしている。

2)Naチャネル
Naチャネルには、電位依存性Naチャネルとアミロライド感受性Naチャネルが存在する。

3)Kチャネル
 Kチャネルには、多種多様なものが存在するが、一般に活性化することにより膜電位を負に傾ける。静止膜電位の形成や調節、活動電位の再分極、Kの輸送に関与している。

4)Clチャネル
 Clチャネルには、電位依存性Clチャネル、カルシウム依存性Clチャネル、細胞容積感受性Clチャネルなどが存在し、静止膜電位の形成や調節、活動電位の再分極、細胞膜興奮調節、水輸送などに関与している。

4 トランスポーター

トランスポーターは、生体膜表面や細胞小器官膜に存在し、様々な物質(有機物質、イオンなど)の輸送に関与している。トランスポーターには、ATPを利用することにより濃度勾配に逆らった輸送をする能動輸送系、複数の基質を同じ方向に輸送する共輸送系、2つの基質を逆の方向に輸送する逆輸送系が存在する。

1)有機物質トランスポーター

2)イオントランスポーター
 イオントランスポーターには、共輸送系として、Na−K−2Cl、Na−Cl、K−Cl、Na−HCO3、逆輸送系として、Na−H、Na−Ca2、Cl−HCO3が存在する。

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第104回薬剤師国家試験 問212〜213

第104回薬剤師国家試験 問212〜213

60歳男性。喘息のため吸入ステロイド薬と共にテオフィリンを服用している。今回、右腰のまわりに痛みを伴う水疱が出現したので皮膚科を受診したところ、帯状疱疹と診断され、以下の処方箋を持って薬局を訪れた。面談により、この患者には、過去に口唇ヘルペスでバラシクロビル錠の服用の経験があることが分かった。また、営業職であるため忙しく、1日5回の服用を守ることは困難であると訴えた。そこで、皮膚科の医師に疑義照会したところ、以下の処方に変更となった。

なお、この患者のクレアチニンクリアランスは 50 mL/min であった。


問212(実務)
この患者に処方されたバラシクロビル錠に関する記述のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。

1 口唇ヘルペスと帯状疱疹に対する用法・用量・投与日数は異なる。
2 テオフィリンと併用しても、テオフィリンの中毒症状が現れることはない。
3 アシクロビルに比べて副作用が現れにくい。
4 腎機能が低下した時には、投与間隔の延長あるいは減量を伴った投与間隔の延長の措置を行う。
5 7日間服用することで痛みは消失するが水泡は消失することはない。

 

 

 

 

 

 

 


解答
1、4


解説
1 正
本剤は、口唇ヘルペス(単純ヘルペス)に用いる場合と、帯状疱疹に用いる場合では、用法・用量・投与日数が異なる。
<単純ペルペスに用いる場合>
通常、成人にはバラシクロビルとして1回500mgを1日2回5日間、経口投与する。
<帯状疱疹に用いる場合>
通常、成人にはバラシクロビルとして1回1000mgを1日3回7日間、経口投与する。
2 誤
本剤とテオフィリンを併用すると、本剤の活性代謝物であるアシクロビルがテオフィリンの代謝を阻害し、血中濃度を上昇させることがある。
3 誤
本剤は、アシクロビルに比べ、血液中に移行しやすいため、副作用が現れやすい。
4 正
本剤は腎消失型薬物であるため、腎機能が低下した時には、投与間隔の延長あるいは減量を伴った投与間隔の延長などの措置を行うことがある。
5 誤
バラシクロビルを7日間服用することにより水疱はほとんど消失するが、痛みは継続することがある。そのため、帯状疱疹後には、疼痛を緩和する目的でプレガバリンなどが投与されることがある。


問213(物理・化学・生物)
バラシクロビルに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 アシクロビルの脂溶性を増大させることを意図して創出されたプロドラッグである。
2 アシクロビルとL−バリンがエステル結合を介して連結した構造をもつ。
3 生体内に存在する酵素の作用により、波線部aにおいて結合が切断される。
4 生体内でbに示す酸素原子がリン酸化されることによって薬理活性を示す。
5 小腸のペプチドトランスポーターを介して吸収される。

 

 

 

 

 

 

 


解答
2、5


解説
1 誤
バラシクロビルは、アシクロビルのL−バリンエステルであり、ペプチドトランスポーターにより生体膜を透過することを意図して創出されたプロドラッグである。
2 正
解説1参照
3 誤
バラシクロビルは、消化管から吸収された後、速やかにエステル結合が切断されアシクロビルとなる。生体内で活性代謝物となったアシクロビルは、リン酸化されて薬理活性を示す。


4 誤
バラシクロビルは、エステル結合が加水分解され生成するヒドロキシ基がリン酸化されることにより薬理活性を示す(解説3参照)。
5 正
解説1参照

第104回薬剤師国家試験 問210〜211

第104回薬剤師国家試験 問210〜211

35歳女性。数日前から咳き込むようになった。市販の咳止め薬を服用していたが、治まらないので病院を受診したところ、呼吸器科で気管支喘息と診断さ れ、以下の処方箋を持って薬局を訪れた。薬剤師が面談したところ、過去に内服ス テロイド薬により満月様顔貌(ムーンフェイス)などの副作用を経験したことが分かった。今回処方された吸入ステロイド薬についても副作用を心配している。なお、この女性は今回初めて吸入薬を使用する。


問210(実務)
この患者に対する服薬指導として適切なのはどれか。2つ選べ。

1 この吸入薬は、内服ステロイド薬よりムーンフェイスになりにくいです。
2 吸入後にうがいをすると効果が減弱するので、うがいをしないで下さい。
3 ピークフローメーターにより得られた測定値と測定時の症状を、喘息日記に記載してください。
4 この吸入薬は咳が出なくなったら、吸入しなくても良いです。
5 この吸入薬は咳がさらにひどくなった場合、追加で1日3回まで吸入しても良いです。

 

 

 

 

 


解答
1、3


解説
1 正
ブデソニドはアンテドラッグ(血液中に移行すると速やかに分解される)であり、局所作用が強く、全身性の副作用が現れにくいため、内服ステロイド薬よりもムーンフェイスになりにくい。
2 誤
吸入後は口腔カンジダや嗄声を防止する目的で、うがいする必要がある。
3 正
ピークフローメーターにより得られた測定値と測定時の症状は、喘息の状態を把握する上で有用なデータとなるため、喘息日記に記載するように指導する。
4 誤
本剤のような副腎皮質ステロイド性薬を含有する吸入薬は、喘息治療において長期管理薬(コントローラー)として用いられる。長期管理薬は、毎日規則正しく使用することにより、喘息発作の誘発を予防する目的で使用されるため、咳が出なくなっても、継続して吸入する必要がある。
5 誤
本剤は、長期管理薬(コントローラー)であり、咳がひどくなった場合に追加投与することはできない。なお、シムビコートタービュヘイラーは、維持療法として使用している場合に頓用としても使用可能である。


問211(物理・化学・生物)
ブデソニドは肝臓において、活性が低く水溶性の高い代謝物に代謝され、速やかに排泄される。主な代謝経路で起こる反応について正しいのはどれか。1つ選べ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


解答
1


解説
ブデソニドは、肝臓において、主として16α−ヒドロキシプレドニゾロンに変換され、尿中に排泄される。

アゴニストとアンタゴニスト

講義動画

1 薬物の併用

薬物Aに薬物Bを併用することにより相互作用が認められることがある。薬物Aを単独で用いる場合よりも作用が増強する場合を「協力」といい、減弱される場合を「拮抗」という。協力作用には、相加作用と相乗作用がある。

2 拮抗

1)薬理学的拮抗
 2種類の薬物の薬理作用が拮抗する場合を薬理学的拮抗という。薬理学的拮抗には、競合的拮抗と非競合的拮抗がある。

2)拮抗作用と用量−反応曲線
(1)競合的拮抗
競合的アンタゴニストが存在すると、アゴニストの用量−反応曲線は、高濃度側へ平行移動する。

競合的アンタゴニストの作用の強さを表す指標として、pA2値(アゴニストによる用量−反応曲線を2倍だけ高濃度側に平行移動させるのに必要な競合的アンタゴニストのモル濃度の負の常用対数値)を用いる。

(2)非競合的拮抗
非競合的アンタゴニストが存在すると、アゴニストの用量−反応曲線は、平行移動せず、縦に圧縮された形になる。

非競合的アンタゴニストの作用の強さを表す指標として、pD’2値(アゴニストによる用量−反応曲線の最大反応を50%に抑制するのに要する非競合的アンタゴニストのモル濃度の負の常用対数)を用いる。

関連問題
第97回問27、第100回問151、第101回問27、第102回問26

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第104回薬剤師国家試験 問208〜209

第104回薬剤師国家試験 問208〜209

65歳男性。労作時胸部圧迫感を訴え医療機関を受診している。冠動脈造影により左冠動脈前下行枝に75%の強度狭窄を認め、以下の処方薬を服用していた。 3週間後に狭窄部分を押し広げる治療法である経皮的冠動脈インターベンション(PCI)による薬剤溶出ステント留置を行う目的で病院に入院することになった。

問208(実務)
入院後に持参薬(上記処方)に関するPCI施行前後の服薬計画を立案するにあたって、薬剤師から医師に提案する内容として正しいのはどれか。2つ選べ。

1 PCI施行前日までは、両持参薬とも内服する必要はありません。
2 PCI施行前にプラスグレル塩酸塩錠を増量する必要はありません。
3 PCI施行後もアスピリン腸溶錠、プラスグレル塩酸塩錠の服用を継続する必要があります。
4 PCI施行後はプラスグレル塩酸塩錠のみ服用を継続する必要があります。
5 PCI施行後はアスピリン腸溶錠のみ服用を継続する必要があります。

 

 

 

 

 

 


解答
2、3


解説
1 誤
経皮的冠動脈インターベンション(PCI)は、出血のリスクが少ないため、原則として、抗血小板薬を継続しながら手術を行う。なお、PCI施行時に抗血小板薬を中止する場合は、当日のみ中止し、術直後より再開することとされている。
2 正
PCI施行する際に、プラスグレルを投与する場合、「通常、成人には、投与開始日にプラスグレルとして20mgを1日1回経口投与し、その後、維持用量として1日1回3.75mgを経口投与する。」とされているが、PCI施行前に本剤3.75mgを5日間程度投与されている場合、初回負荷投与(投与開始日に20mgを投与すること)は必須ではないとされている。このことから、本症例では、PCI施行前に5日以上プラスグレルを継続服用することになるため、PCI施行前にプラスグレル塩酸塩錠を増量する必要はない。
3 正
PCI施行後、ステント周辺部に血栓が生じやすくなるため、PCI施行後もアスピリン腸溶錠とプラスグレル塩酸塩錠の服用を継続する必要がある。
4 誤
解説3参照
5 誤
解説3参照


問209(物理・化学・生物)
プラスグレルは生体内の代謝により活性代謝物Cに変換されて効果を発揮するプロドラッグである。以下の記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。

1 プラスグレルはチエノピリジン系医薬品である。
2 プラスグレルから代謝物Aへの変換にはプロテアーゼの作用が必須である。
3 代謝物Aと代謝物Bとは互変異性体の関係にある。
4 代謝物Bにはジアステレオマーが存在する。
5 活性代謝物Cは血小板の標的タンパク質と共有結合する。

 

 

 

 

 

 


解答
2


解説

1 正しい
プラスグレルは、チエノピリジン系医薬品である。チエノピリジン系薬には、プラスグレルの他にチクロピジン、クロピドグレルがある。

2 誤っている
プラスグレルから代謝物Aへの変換にはカルボキシルエステラーゼの作用が必須である。
3 正しい
互変異性体とは、それらの異性体同士が互いに変換する異性化の速度が速く、どちらの異性体も共存する平衡状態に到達するもののことであり、代謝物A(エノール形)と代謝物B(ケト形)は互変異性体の関係にある。
4 正しい
代謝物Bには、不斉炭素が2つ存在するため、 4種の立体異性体からなる。4種の立体異性体の中には、R,S表示がすべて逆のもの(エナンチオマー)とR,S表示が一部逆のもの(ジアステレオマー)がある。
5 正しい
活性代謝物Cは、血小板の標的タンパク質であるP2Y12と共有結合し、非可逆的にADP受容体とADPの結合を阻害することで血小板凝集抑制作用を示す。