日別アーカイブ: 2019年7月11日

リスパダール錠1mg、2mg、3mg/細粒1%(リスペリドン)

名称

商品名:リスパダール
一般名:リスペリドン


剤形、規格

錠:1mg、2mg、3mg
細粒:1%


構造


薬効分類

抗精神病剤


薬効薬理・作用機序

リスペリドンは、抗ドパミン作用及び抗セロトニン作用により統合失調症で認められる陽性症状及び陰性症状を改善する。

下田武

統合失調症では、ドパミンなどの神経伝達物質に異常が生じ、陽性症状(幻覚、妄想など)、陰性症状(意欲減退など)が現れます。リスペリドンは、ドパミンD2受容体拮抗作用により陽性症状を改善し、セロトニン受容体(5−HT2受容体)の拮抗作用により陰性症状を改善します。


適応症、服用方法、使用方法

1. 統合失調症
通常、成人にはリスペリドンとして1回1mg1日2回より開始し、徐々に増量する。維持量は通常1日2〜6mgを原則として1日2回に分けて経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
但し、1日量は12mgを超えないこと。

2. 小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性
(錠:3mgには適用なし)
体重15kg以上20kg未満の患者

通常、リスペリドンとして1日1回0.25mgより開始し、4日目より1日0.5mgを1日2回に分けて経口投与する。症状により適宜増減するが、増量する場合は1週間以上の間隔をあけて1日量として0.25mgずつ増量する。但し、1日量は1mgを超えないこと。
体重20kg以上の患者
通常、リスペリドンとして1日1回0.5mgより開始し、4日目より1日1mgを1日2回に分けて経口投与する。症状により適宜増減するが、増量する場合は1週間以上の間隔をあけて1日量として0.5mgずつ増量する。但し、1日量は、体重20kg以上45kg未満の場合は2.5mg、45kg以上の場合は3mgを超えないこと。


使用できない場合(禁忌)

1.昏睡状態の患者
[昏睡状態を悪化させるおそれがある。]

2.バルビツール酸誘導体等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者
[中枢神経抑制作用が増強されることがある。]

3.アドレナリンを投与中の患者(アドレナリンをアナフィラキシーの救急治療に使用する場合を除く)

4.本剤の成分及びパリペリドンに対し過敏症の既往歴のある患者


使用するにあたっての注意事項

1.投与初期、再投与時、増量時にα交感神経遮断作用に基づく起立性低血圧があらわれることがあるので、少量から徐々に増量し、低血圧があらわれた場合は減量等、適切な処置を行うこと。

2.眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。

3.統合失調症の患者においては、興奮、誇大性、敵意等の陽性症状を悪化させる可能性があるので観察を十分に行い、悪化がみられた場合には他の治療法に切り替えるなど適切な処置を行うこと。

4.本剤の投与により、高血糖や糖尿病の悪化があらわれ、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡に至ることがあるので、本剤投与中は、口渇、多飲、多尿、頻尿等の症状の発現に注意するとともに、特に糖尿病又はその既往歴あるいはその危険因子を有する患者については、血糖値の測定等の観察を十分に行うこと。

5.低血糖があらわれることがあるので、本剤投与中は、脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等の低血糖症状に注意するとともに、血糖値の測定等の観察を十分に行うこと。

6.本剤の投与に際し、あらかじめ上記4.及び5.の副作用が発現する場合があることを、患者及びその家族に十分に説明し、高血糖症状(口渇、多飲、多尿、頻尿等)、低血糖症状(脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等)に注意し、このような症状があらわれた場合には、直ちに投与を中断し、医師の診察を受けるよう指導すること。

7.抗精神病薬において、肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、不動状態、長期臥床、肥満、脱水状態等の危険因子を有する患者に投与する場合には注意すること。

8.小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性に対して本剤を投与する場合は、定期的に安全性及び有効性を評価し、漫然と長期にわたり投与しないこと。


副作用

<主な副作用>
・統合失調症に用いた場合
アカシジア、不眠、振戦、便秘、易刺激性、傾眠、不安、倦怠感、流涎過多、筋固縮 など
・小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性に用いた場合
傾眠、体重増加、食欲亢進、高プロラクチン血症、不安、よだれ、浮動性めまい など

<重大な副作用>

1. 悪性症候群(Syndrome malin)
2. 遅発性ジスキネジア
3. 麻痺性イレウス
4. 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)
5. 肝機能障害、黄疸
6. 横紋筋融解症
7. 不整脈
8. 脳血管障害
9. 高血糖、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡
10. 低血糖
11. 無顆粒球症、白血球減少
12. 肺塞栓症、深部静脈血栓症
13. 持続勃起症


飲み合わせ(相互作用)

<併用禁忌>
・アドレナリン(アナフィラキシーの救急治療に使用する場合を除く)
アドレナリンの作用を逆転させ、血圧降下を起こすことがある。
アドレナリンはアドレナリン作動性α、β受容体の刺激剤であり、本剤のα受容体遮断作用によりβ受容体刺激作用が優位となり、血圧降下作用が増強される。

<併用注意>
1. 中枢神経抑制剤(バルビツール酸誘導体等)
相互に作用を増強することがあるので、減量するなど慎重に投与すること
2. ドパミン作動薬
相互に作用を減弱することがある。
3. 降圧薬
降圧作用が増強することがある。
4.アルコール
相互に作用を増強することがある。
5.  CYP2D6を阻害する薬剤(パロキセチン等)
本剤及び活性代謝物の血中濃度が上昇することがある。
6. CYP3A4を誘導する薬剤
(カルバマゼピン、フェニトイン、リファンピシン、フェノバルビタール)
本剤及び活性代謝物の血中濃度が低下することがある。
7.  CYP3A4を阻害する薬剤(イトラコナゾール等)
本剤及び活性代謝物の血中濃度が上昇することがある。


(注意事項)
作成日時の時点における医薬品情報を使用して作成しております。
医薬品を使用する前には、必ず最新の添付文書を確認するようにしてください。

第104回薬剤師国家試験 問318〜319

30歳女性。甲状腺機能亢進症に対し、チアマゾールで外来治療中に、無顆粒球症が発生し死亡に至った。なお、併用薬はない。


 問318(法規・制度・倫理)
この病院で安全管理を担当している薬剤師が取るべき対応として、法令上適切なのはどれか。2つ選べ。

1 製造販売業者には副作用等の報告義務があるので、副作用情報収集に積極的に協力した。
2 無顆粒球症は添付文書に記載されている既知の副作用なので、製造販売業者が行う情報収集には協力する必要はないと考えた。
3 医薬関係者には死亡日から15日以内に報告する義務があるため、直ちに死亡例について医薬品医療機器総合機構宛てに報告した。
4 この副作用の発生に対しては、保健衛生上の危害の発生の防止又は拡大を防止するため、医薬品医療機器総合機構宛てに報告した上で、その調査に協力することにした。
5 医療機関には記録の保管義務があるため、副作用が生じた原因、その対応状況などについて記録を作成して、1年間保存することにした。

 

 

 

 

 

 


解説
1 正
製造販売業者は、製造販売を行っている医薬品について、当該品目の副作用等によるものと疑われる疾病・障害又は死亡の発生、当該品目によるものと疑われる感染症の発症等を知ったとき、その旨を厚生労働大臣に報告する必要がある(この制度を企業報告制度という。)。
2 誤
企業報告制度は、既知の副作用についても報告する。
3 誤
医薬品・医療機器等安全性情報報告制度(保健衛生上の危害の発生の防止又は拡大を防止するために医療関係者が医薬品の副作用等を医薬品医療機器総合機構に報告する制度)には、報告期限は定められていない。なお、報告期限が発生を知った日から15日又は30日と定められているのは、企業報告制度である。
4 正
5 誤
医療機関には、副作用に関する記録を保管する義務はない。


解答
1、4


問319(実務)
本剤の添付文書には下記のような記述がある。無顆粒球症の副作用の発見のためには、白血球分画のうち、どの細胞の数を調べればよいか。1つ選べ。

【警告】

1.重篤な無顆粒球症が主に投与開始後2ヶ月以内に発現し、死亡に至った症例も報告されている。少なくとも投与開始後2ヶ月間は、原則として2週に1回、それ以降も定期的に白血球分画を含めた血液検査を実施し、顆粒球の減少傾向等の異常が認められた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、一度投与を中止して投与を再開する場合にも同様に注意すること(「重大な副作用」の項参照)。

1 リンパ球
2 単球
3 好酸球
4 好中球
5 好塩基球

 

 

 

 


解説
無顆粒球症では、血液中の白血球の成分のうち顆粒球(特に好中球)が減少し、易感染状態(初期症状として咽頭痛、発熱、寒気、紫班などが認められる)となる。上記より、無顆粒球症の副作用の発見のためには「好中球の数」を調べる必要がある。


解答
4

第104回薬剤師国家試験 問320〜321

土曜日の夕方遅くに30歳代の男性旅行者が薬局を訪れ、今朝より胸やけがあり、みぞおち辺りが少し痛いため薬が欲しいと相談した。薬剤師が話を聞くと、以前にも似た症状があり、その時は受診し処方薬を服用して改善したということであった。その内容が携帯していたお薬手帳に記録されていた。明後日の月曜日には地元に戻るとのことであった。

問320(実務)
近隣の医療機関は受付時間を過ぎており、この男性も一般用医薬品での対応で良いとのことであったため、相談を受けた薬剤師は、1錠当たりファモチジン10 mgを含有する第一類医薬品を販売することにした。販売時の対応として適切でないのはどれか。2つ選べ。

1 3日間服用しても症状が軽減しない場合、服用を止めて医療機関を受診するよう勧めた。
2 お薬手帳に販売したことを記載した。
3 症状が軽減しても、2週間以上は飲み続けるよう説明した。
4 以前の処方薬と含量は違うが、有効成分は同じであることを説明した。
5 同じ有効成分の医療用医薬品を以前服用していたので、販売記録は作成しなかった。

 

 

 

 


解説
1 適切である
本剤は、3日間服用しても症状の改善がみられない場合、服用を止めて、医師または薬剤師に相談することとされている。
2 適切である
お薬手帳とは、薬を適正に使用するために必要な情報(服用歴、副作用歴、アレルギー歴、服用中のサプリメント、一般用医薬品など)を記載している手帳のことである。販売したOTC薬に関する情報をお薬手帳に記載することは適切であるといえる。
3 適切ではない
本剤は、症状が治まった場合、継続して服用しないこととされている。
4 適切である
5 適切ではない
本剤は第一類医薬品であるため、販売した際、販売記録(品名、数量、販売日時、販売・情報提供を行った薬剤師の氏名、購入者が情報提供等の内容を理解した旨の確認などを記録したもの)を作成しなければならない。


解答
3、5


問321(法規・制度・倫理)
今回販売する医薬品について説明している時に、「第一類医薬品」とはどういうものかという質問があった。その際の薬剤師の説明として適切なのはどれか。2つ選べ。

1 一般用医薬品は、第一類医薬品と第二類医薬品の二つに分類されています。
2 一般用医薬品の中で、副作用等その使用に関し特に注意が必要なものです。
3 登録販売者又は薬剤師が販売しなければならないものです。
4 販売時に適正な使用のために必要な情報について書面を用いて説明することが必要なものです。
5 インターネットでは買うことができないものです。

 

 

 

 

 


解説

1 誤
一般用医薬品は、第一類医薬品、第二類医薬品、第三類医薬品の三つに分類される。
2 正
第一類医薬品は、以下のように規定されている。
・その使用に関して副作用や作用の強さなど特に注意が必要なもの
3 誤
第一類医薬品を販売する際、薬剤師が購入希望者に対し書面またはタブレット端末などを用いて医薬品に関する情報を提供する必要がある。
4 正
5 誤
第一類医薬品は、インターネット販売(特定販売)することができる。


解答
2、4