日別アーカイブ: 2019年7月6日

第104回薬剤師国家試験 問330

68歳男性。以前より便通の異常を自覚していた。病院を受診し、精査の結果、大腸がんが判明し StageIVと診断された。病理検査の結果、RAS変異は陰性であった。また、UGT1A1* 6のホモ接合体であった。一次治療として、ベバシズマ ブ +CapeOX(カペシタビン+オキサリプラチン)療法が開始となった。薬剤師が行う薬学的関与として適切なのはどれか。2つ選べ。

1 ベバシズマブ投与に伴い、予防的な高血糖対策を実施するように医師に提案する。
2 カペシタビン投与に伴い、手足症候群予防のために厚めの靴下を履くように患者に説明する。
3 オキサリプラチン投与に伴い、冷たいものに触るとしびれを誘発することを患者に説明する。
4 RAS 変異が陰性のため、ベバシズマブの開始用量の増量を提案する。
5 UGT1A1の遺伝子解析結果から、カペシタビンの開始用量の減量を提案する。

 

 

 

 

 

 


解説

1 誤
ベバシズマブは、重大な副作用として、高血圧性脳症、高血圧性クリーゼを起こすことがあるため、投与期間中は血圧を定期的に測定し、適切な処置を行うこととされている。
2 正
カペシタビン投与に伴い、手足症候群を誘発するおそれがあるため、投与期間中は厚めの靴下を履くように患者に説明する必要がある。
3 正
オキサリプラチン投与に伴い、末梢神経症状が現れるおそれがあるため、冷たいものに触るとしびれを誘発することを患者に説明する必要がある。
4 誤
ベバシズマブは、RAS変異の有無によって投与量を変更することはない。なお、パニツムマブ及びセツキシマブを使用する際には、RAS変異の有無を確認してから投与する必要がある。
5 誤
カペシタビンは、UGT1A1の遺伝子解析の結果から、投与量を変更することはない。なお、イリノテカンを使用する際には、UGT1A1の遺伝子解析を行う必要がある。


解答
2、3

第104回薬剤師国家試験 問331

以下のレジメンを肺がん患者(体表面積1.70 m2)に適用することになり、薬剤師がミキシングを行うこととなった。 1バイアルあたり500 mg充填されているペメトレキセド(凍結乾燥品)を使用し、1バイアルあたり20 mLの生理食塩液で溶解する場合、ペメトレキセドの1日当たりの投与量(薬液量)として正しいのはどれか。1つ選べ。

1 14 mL
2 20 mL
3 34 mL
4 40 mL
5 68 mL

 

 

 

 

 


解説
本剤を溶解するためには1バイアル(ペメトレキセド500 mg含有)あたり20 mLの生理食塩液が必要であることから、溶解後の薬液中のペメトレキセドの濃度は、25 mg/mLとなる。本患者の体表面積は1.70 m2であることから、ペメトレキセドを850 mg(500 mg/m2×1.70 m2)に相当する薬液量34 mL(850 mg÷25 mg/mL)を投与する必要がある。


解答
3

第104回薬剤師国家試験 問332

12歳女児。アレルギー性鼻炎により耳鼻咽喉科を受診したところ、以下の薬剤が処方された。

母親に確認したところ、錠剤を服用できないことがわかり、処方医に疑義照会を行い、ケトチフェンシロップ0.02%への処方変更を提案した。シロップ剤の1回量及び全量として正しいのはどれか。1つ選べ。

 

 

 

 

 

 

 

 


解説
本患者には、1回1 mg(1回1錠×1mg/錠)、全量14 mg(全量14錠×1mg/錠)のケトチフェンが処方されている。ケトチフェンシロップ0.02%には、1 mL中にケトチフェンが0.2 mg含まれていることから、錠剤をシロップに変更すると1回5 mL(1mg÷0.2 mg/mL)、全量70 mL(14 mg÷0.2 mg/mL)のシロップが必要となる。


解答
3

第104回薬剤師国家試験 問333

薬剤師が、インフリキシマブのバイオ後続品(バイオシミラー)の選定を任された。ある添付文書を読んだところ、有効成分に関する理化学的知見に以下の記載があった。
「インフリキシマブ(遺伝子組換え)[インフリキシマブ後続 2]は、遺伝子組換えキメラモノクローナル抗体であり、マウス抗ヒト腫瘍壊死因子αモノクローナル抗体の可変部及びヒトIgG1定常部からなる。インフリキシマブ(遺伝子組換え)[インフリキシマブ後続 2]は、チャイニーズハムスター卵巣細胞により産生される。インフリキシマブ(遺伝子組換え)[インフリキシマブ後続 2 ]は、450 個のアミノ酸残基からなる H 鎖(γ1鎖))2 本及び 214 個のアミノ酸残基からなる L 鎖(κ鎖)2本で構成される糖タンパク質(分子量:約149,000)である。」

インフリキシマブ(遺伝子組換え)[インフリキシマブ後続 2]のロット間で、最も差があるのはどれか。1つ選べ

1 キメラモノクローナル抗体のタンパク質部分
2 モノクローナル抗体の可変部
3 ヒトIgG1定常部
4 450個のアミノ酸残基からなるH鎖
5 糖鎖

 

 

 

 

 

 


解説
バイオ後続品の有効成分は、分子量の大きい糖タンパク質であり、低分子化合物と異なり製造する際にロット間でバラツキが生じやすい。バイオ後続品において、その本質であるアミノ酸配列はロット間で同一であるが、糖鎖や不純物の割合がロット間で異なることがある。
<参考>
バイオ後続品とは、国内で既に有効成分含量医薬品として承認されたバイオテクノロジー応用医薬品と同等/同質の品質、安全性、有効性を有する医薬品として、異なる製造販売者により開発された医薬品のことである。


解答
5

第104回薬剤師国家試験 問334

64歳男性。心房細動の診断で初めてワルファリンK錠を処方されて、近所の薬局にその処方箋を持参した。対応した薬剤師は、患者に初回質問表を記入してもらい、その内容は以下のとおりであった。

初回質問票の項目1〜6のうち、薬物相互作用の観点からさらに詳しく確認することが必要な項目はどれか。1つ選べ。

1 項目1
2 項目2
3 項目3
4 項目4
5 項目5
6 項目6

 

 

 

 

 


解説
ワルファリンK錠は多くの薬物、健康食品と相互作用が報告されている。このことから、ワルファリンK錠の薬物相互作用の有無を確認するにあたり「他の病院や医院でもらっている薬」、「使用中の市販の薬」、「使用中の健康食品」を確認する必要がある。
本問の初回質問表には、他の病院や医院でもらっている薬、使用中の市販の薬について具体的に記載されているが、健康食品の項目には、「栄養剤」と記載されているだけでどのような成分を含んでいるか特定することが難しい。このことから、項目3についてさらに詳しく確認する必要がある。


解答
3

第104回薬剤師国家試験 問335

豪雨災害を受けた地域の避難所に薬剤師が医療チームの一員として派遣された。食中毒が懸念されており、手の消毒を推奨することになった。この避難所には下記の消毒剤が用意されていたが、希釈するための上水が不足していた。希釈をしないで使用できる消毒剤はどれか。2つ選べ。

1 ベンゼトニウム塩化物液(0.2 w/v%)
2 クレゾール石ケン液(50 vol%)
3 ベンザルコニウム塩化物液(0.05 w/v%)
4 消毒用エタノール(80 vol%)
5 クロルヘキシジングルコン酸塩液(5 w/v%)

 

 

 

 

 


解説
1 手の消毒に使用するためには希釈が必要
ベンゼトニウム塩化物液を手指の消毒に用いる際の適切な濃度は「0.05〜0.1 w/v %」である。
2 手の消毒に使用するためには希釈が必要
クレゾール石ケン液を手指の消毒に用いる際の適切な濃度は「0.5〜1 vol%」である。
3 希釈しないで使用できる
ベンザルコニウム塩化物液を手指の消毒に用いる際の適切な濃度は「0.05〜0.1 w/v %」である。
4 希釈しないで使用できる
消毒用エタノールを手指の消毒に用いる際の適切な濃度は「76.9〜81.4 vol%」である。
5 手の消毒に使用するためには希釈が必要
クロルヘキシジングルコン酸塩液を手指の消毒に用いる際の適切な濃度は「0.1〜0.5 w/v %」である。


解答
3、4

第104回薬剤師国家試験 問336

クリニカルパスは、患者の状態と診療行為の目標及び評価・記録を含む標準診療計画であり、標準からの逸脱を分析することで医療の質を改善するために用いられる。クリニカルパスの目的に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。

1 医療プロセスの標準化
2 在院日数の短縮
3 医療情報の共有化
4 患者ケアの質的向上
5 医療安全の担保
6 個別医療の実現

 

 

 

 

 


解説
クリニカルパスとは、疾患ごとの診療基準となるスケジュール表のことである。クリニカルパスには、疾患ごとに治療・検査の内容やタイミング、患者の状態と診療行為の目標及び評価などがまとめられている。クリニカルパスを用いることにより医療情報の共有化医療プロセスの標準化を行うことができ、それにより在院日数の短縮患者ケアの質的向上医療安全を担保することができる。なお、クリニカルパスは、患者が標準的な医療を受けることができるように作成されているものであり、個別医療を実現するために作成されているものではない。


解答
6

第104回薬剤師国家試験 問337

6歳男児。体重20kg。歯科診療所で抜歯後、母親がこの男児の処方箋を薬局に持参した。

男児はシロップ剤が苦手のため、母親は粉薬への変更を希望した。薬局にはアセトアミノフェン細粒20%がある。アセトアミノフェンシロップ 2%及び細粒20%の添付文書には、「通常、アセト アミノフェンとして、体重1 kgあたり1回10〜15 mgを経口投与する」と記載されている。

本症例に対し、薬剤師が処方医に対して行う対応の中で適切なのはどれか。2つ選べ。
1 アセトアミノフェンの1回量が過剰であることを疑義照会する。
2 アセトアミノフェンの1回量が不足であることを疑義照会する。
3 アセトアミノフェン細粒20%1回量2 g、5回分への変更提案をする。
4 アセトアミノフェン細粒20%1回量1 g、5回分への変更提案をする。
5 アセトアミノフェン細粒20%1回量0.5 g、5回分への変更提案をする。

 

 

 

 

 


解説
本患者は体重が20 kgであることから本患者に対する適切なアセトアミノフェンの1回投与量は200〜300 mg(10〜15 mg/kg×20 kg)となる。本処方では、アセトアミノフェンシロップ2%(20 mg/mL)が1回8 mL処方されていることからアセトアミノフェン1回投与量は160 mg(20 mg/mL×8 mL)となる。これらのことから、アセトアミノフェンの1回量が不足であると疑義照会する必要がある。
本患者への適切な1回投与量は200〜300 mgであり、これを細粒20%(200 mg/g)に換算すると、1〜1.5 g(200〜300 mg÷20%)となる。このことから、アセトアミノフェン細粒20%1回量1 g、5回分への変更提案をする必要がある。


解答
2、4

第104回薬剤師国家試験 問7

最も塩基性が強い化合物はどれか。1つ選べ。

 

 

 

 

 

 


解説
選択肢のうち、最も塩基性が強い化合物は、グアニジン(選択肢1)である。グアニジンはH(プロトン)を受け取ると下記に示すように共鳴安定化するため、強い塩基性を示す。


解答
1

第104回薬剤師国家試験 問338

73 歳男性。かすみ目を訴えて受診し、以下の処方箋を持って薬局を訪れた。

患者によると、以前、薬局で購入した一般用医薬品(第二類医薬品)八味丸が有効だった経験があり、医師にその空き箱を見せて相談したとのことであった。患者は両薬剤の違いについて気にしていた。八味丸と八味丸エキス顆粒の違いとして適切なのはどれか。2つ選べ。

1 八味丸の方が八味丸エキス顆粒より繊維質の含有量が多い。
2 八味丸の方が八味丸エキス顆粒より全体量に対する水溶性成分が多い。
3 八味丸の方が八味丸エキス顆粒より全体量に対する脂溶性成分が多い。
4 八味丸エキス顆粒は構成生薬を粉末にし、混合して製造する。
5 八味丸は八味丸エキス顆粒にハチミツを加えて丸くして製造する。

 

 

 

 

 


解説
八味丸は生薬末製剤であり、八味丸エキス顆粒はエキス製剤である。八味丸は、構成生薬の粉末にハチミツを加えて丸くして製造する。それに対して、八味丸エキス顆粒は、構成生薬より得られる浸出液を濃縮または乾燥することにより製造する。
1 正
八味丸は構成生薬を細かく砕いて生薬末として使用しているため、浸出液より製造する八味丸エキス顆粒より多くの繊維質を含む。
2 誤
八味丸エキス顆粒は、抽出液を濃縮または乾燥することにより製造するため、八味丸に比べ水溶性成分を多く含む。それに対して、八味丸は浸出を行なっていないため、八味丸エキスに比べ脂溶性成分を多く含む。
3 正
4 誤
前記参照
5 誤
前記参照


解答
1、3