日別アーカイブ: 2019年7月9日

第104回薬剤師国家試験 問326

55 歳女性。159 cm、60 kg。卵巣がんにて、パクリタキセル、カルボプラチン、ベバシズマブを用いた外来化学療法を施行している。来院日の臨床検査値から 判断して、医師はレノグラスチム注100 µgを投与して、以下の処方を追加した。
臨床検査値は、体温37.8℃、白血球数2×103 個/µL、好中球40%(白血球百分率)、血清クレアチニン値 0.64 mg/dL、eGFR 74.0 mL/min/1.73 m2であった。

薬剤師はこの処方に疑義を抱いた。薬剤師が行う処方提案として、適切なのはどれか。2つ選べ。

1 セフカペンピボキシル塩酸塩錠100 mgを1回1錠、1日2回朝夕食後にする。
2 セフカペンピボキシル塩酸塩錠100 mgを1回1錠、1日1回朝食後にする。
3 レボフロキサシン錠250 mgを1回1錠、1日1回朝食後にする。
4 レボフロキサシン錠500 mgを1回1錠、1日1回朝食後にする。
5 シプロフロキサシン塩酸塩錠100 mgを1回2錠、1日2回朝夕食後にする。

 

 

 

 

 

 

 


解説
本症例では、がん化学療法に伴い、37.5℃以上の発熱及び好中球の減少(白血球数2000×0.4=好中球数:800/µL)が認められていることから、がん化学療法による骨髄抑制に伴う発熱性好中球減少症(FN:febrile neutropenia)を起こしている可能性がある。

<FNの定義>
好中球数が500/µL未満、または1000/µL未満で48時間以内に500/µL未満に減少すると予測される状態でかつ腋窩温37.5℃以上(口腔内温38℃以上)の発熱を生じた場合を発熱性好中球減少症(FN:febrile neutropenia)と定義する。
FNを起こしている可能性がある場合、FNを悪化させないために、ニューキノロン系抗菌薬の経口投与が推奨されていることから、本患者に対して、ニューキノロン系抗菌薬の経口投与する必要がある。
本患者はeGFRが74.0 mL/min/1.73 m2であることから、腎機能は正常である。このことから、本患者に対してニューキノロン系抗菌薬を減量することなく、使用することが可能であるため、「レボフロキサシン錠500 mgを1回1錠、1日1回朝食後にする。」「シプロフロキサシン塩酸塩錠100 mgを1回2錠、1日2回朝夕食後にする。」と処方変更を提案することが適切であると考えられる。


解答
4、5

PL配合顆粒

名称

商品名:PL配合顆粒
一般名:非ピリン系感冒剤顆粒


剤形、規格

顆粒
サリチル酸アミド:270mg
アセトアミノフェン:150mg
無水カフェイン:60mg
プロメタジンメチレンジサリチル酸:13.5mg


薬効分類

総合感冒剤


薬効薬理・作用機序

・抗ヒスタミン作用
プロメタジンメチレンジサリチル酸の抗ヒスタミン作用により、感冒に伴う鼻水やくしゃみが緩和する。
・解熱鎮痛作用
サリチル酸アミド、アセトアミノフェンは体温調節中枢に作用し皮膚血管を拡張することにより熱の放散を促進することにより解熱作用を示す。また、サリチル酸アミド、アセトアミノフェンは、末梢において鎮痛効果を示す。
・中枢興奮作用
無水カフェインは精神機能を活発にし、不快感を除去するとともに鎮痛作用を増強する。


適応症、服用方法、使用方法

・感冒若しくは上気道炎に伴う下記症状の改善及び緩和鼻汁、鼻閉、咽・喉頭痛、頭痛、関節痛、筋肉痛、発熱
通常、成人には1回1gを1日4回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。


警告

1.本剤中のアセトアミノフェンにより重篤な肝障害が発現するおそれがあるので注意すること。

2. 本剤とアセトアミノフェンを含む他の薬剤(一般用医薬品を含む)との併用により,アセトアミノフェンの過量投与による重篤な肝障害が発現するおそれがあることから,これらの薬剤との併用を避けること。


使用できない場合(禁忌)

1. 本剤の成分、サリチル酸製剤(アスピリン等)、フェノチアジン系化合物又はその類似化合物に対し過敏症の既往歴のある患者

2. 消化性潰瘍のある患者
[本剤中のサリチルアミドは消化性潰瘍を悪化させるおそれがある。]

3. アスピリン喘息又はその既往歴のある患者
[本剤中のサリチルアミドはアスピリン喘息を誘発するおそれがある。]

4. 昏睡状態の患者又はバルビツール酸誘導体・麻酔剤等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者
[本剤中のプロメタジンメチレンジサリチル酸塩は、昏睡状態の増強・持続、中枢神経抑制作用の増強や麻酔剤の作用時間の延長を来すおそれがある。]

5. 閉塞隅角緑内障の患者
[本剤中のプロメタジンメチレンジサリチル酸塩
が有する抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。

6. 前立腺肥大等下部尿路に閉塞性疾患のある患者
[本剤中のプロメタジンメチレンジサリチル酸塩は抗コリン作用を有し、排尿困難を悪化させるおそれがある。]

7. 2歳未満の乳幼児

8. 重篤な肝障害のある患者
[本剤中のアセトアミノフェンにより肝障害が悪化するおそれがある。]


使用するにあたっての注意事項

1. サリチル酸系製剤の使用実態は我が国と異なるものの、米国においてサリチル酸系製剤とライ症候群との関連性を示す疫学調査報告があるので、本剤を15歳未満の水痘、インフルエンザの患者に投与しないことを原則とするが、やむを得ず投与する場合には、慎重に投与し、投与後の患者の状態を十分に観察すること。
[ライ症候群:小児において極めてまれに水痘、インフルエンザ等のウイルス性疾患の先行後、激しい嘔吐、意識障害、痙攣(急性脳浮腫)と肝臓ほか諸臓器の脂肪沈着、ミトコンドリア変形、AST(GOT)・ALT(GPT)・LDH・CK(CPK)の急激な上昇、高アンモニア血症、低プロトロンビン血症、低血糖等の症状が短期間に発現する高死亡率の病態である。]

2. 眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように十分注意すること。


副作用

<主な副作用>
眠気、口渇、胃腸障害 など

<重大な副作用>
1. ショック,アナフィラキシー
2. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、急性汎発性発疹性膿疱症、剥脱性皮膚炎
3. 再生不良性貧血、汎血球減少、無顆粒球症、溶血性貧血、血小板減少
4. 喘息発作の誘発
5. 間質性肺炎、好酸球性肺炎
6. 劇症肝炎、肝機能障害、黄疸
7. 乳児突然死症候群(SIDS),乳児睡眠時無呼吸発作
8. 間質性腎炎,急性腎障害
9. 横紋筋融解症
10. 緑内障


飲み合わせ(相互作用)

<併用注意>
1. クマリン系抗凝血剤
(ワルファリン)
クマリン系抗凝血剤の作用を増強することがあるので、減量するなど慎重に投与すること。

2.糖尿病用剤
(インスリン製剤、トルブタミド等)
糖尿病用剤の作用を増強することがあるので、減量するなど慎重に投与すること。

3. 中枢神経抑制剤
相互に中枢神経抑制作用を増強することがあるので、減量するなど慎重に投与すること。

4. アルコール
相互に中枢神経抑制作用を増強することがある。

5. アルコール
アルコール多量常飲者がアセトアミノフェンを服用したところ肝不全を起こしたとの報告がある。

6. 降圧剤
相互に降圧作用を増強することがあるので、減量するなど慎重に投与すること。

7.抗コリン作用を有する薬剤
フェノチアジン系化合物、三環系抗うつ剤等
相互に抗コリン作用を増強することがある。
更には,腸管麻痺(食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹部の膨満あるいは弛緩及び腸内容物のうっ滞等の症状)を来し、麻痺性イレウスに移行することがある。なお,この悪心・嘔吐は,本剤及び他のフェノチアジン系化合物等の制吐作用により不顕性化することもあるので注意すること。


(注意事項)
作成日時の時点における医薬品情報を使用して作成しております。
医薬品を使用する前には、必ず最新の添付文書を確認するようにしてください。

第104回薬剤師国家試験 問327

58歳男性。仕事が忙しくきちんと食事をとれていなかった。 2日前から、下肢の筋肉けいれんが頻発するため病院を受診した。血液検査の結果、低カルシウム血症(血清カルシウム値7.0 mg/dL)であることが判明し、医師は下記の薬剤を処方した。処方に基づいて調製された輸液のカルシウム濃度(mEq/mL)に最も近い値はどれか。1つ選べ。ただし、グルコン酸カルシウム水和物の分子式は C12H22CaO14・H2O、分子量は448.4、カルシウムの原子量は40とする。

1 0.38
2 0.19
3 0.076
4 0.038
5 0.019

 

 

 

 

 

 


解説
グルコン酸カルシウム水和物の分子量は448.4であることから、グルコン酸カルシウム注射液8.5% 1アンプル中に含まれるグルコン酸カルシウム水和物の物質量を以下のように求めることできる。

グルコン酸カルシウム水和物の物質量=850 mg÷448.4 g/mol=1.9 mmol

グルコン酸カルシウム水和物の中には、カルシウムが1つ含まれているため、グルコン酸カルシウム注射液8.5% 1アンプル中に含まれるカルシウムは1.9 mmolであると考えられる。

電解質量(mEq)は、「モル濃度×電荷」より算出することができるため、グルコン酸カルシウム注射液8.5% 1アンプル中に含まれるカルシウムの電解質量(mEq)を以下のように算出することができる。

カルシウムの電解質量=カルシウムの物質量×カルシウムの電荷=1.9 mmol×2=3.8 mEq

本設問では、グルコン酸カルシウム注射液8.5% 1アンプル(10 mL)に生理食塩液を90 mL添加し、輸液を調製しているため、輸液の容積は100 mLとなる。このことから、処方に基づいて調製された輸液のカルシウム濃度(mEq/mL)は3.8 mEq÷100 mL=0.038 mEq/mLとなる。


解答
4