日別アーカイブ: 2019年7月7日

第104回薬剤師国家試験 問113

ヒトにおける核酸代謝に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 デオキシウリジン 5ʼ–一リン酸(dUMP)に S–アデノシルメチオニンからメチル基が供与されることで、デオキシチミジン 5ʼ–一リン酸(dTMP)が生じる。
2 デオキシシチジン 5ʼ–三リン酸(dCTP)は、シチジン 5ʼ–二リン酸(CDP)のリボースの還元により生じるdCDP がリン酸化されて生成される。
3 核酸分解により生じたリボース 1–リン酸は、サルベージ経路により再利用される。
4 ピリミジンヌクレオチドの生合成に必要なカルバモイルリン酸は、尿素回路から供給される。
5 イノシン 5ʼ–一リン酸(IMP)からのアデノシン 5ʼ–一リン酸(AMP)の生成には、グアノシン 5ʼ–三リン酸(GTP)が利用される。

 

 

 

 

 

 


解説
1 誤
dUMPに5N,10N−メチレンテトラヒドロ葉酸からメチル基が供与されることでdTMPが生じる。
2 正
dCTPは下記の過程により生成される。

3 正
核酸分解により生じるリボース1−リン酸は、リボース5−リン酸に変換された後、5−ホスホリボシル1−ピロリン酸(PRPP)となり、再利用される。
4 誤
ピリミジンヌクレオチドの生合成に必要なカルバモイルリン酸は、グルタミンとCO2から合成される。なお、尿素回路では、アンモニアとCO2から合成されるカルバモイルリン酸が利用されているが、そのカルバモイルリン酸は、ピリミジンヌクレオチドの生合成には無関係である。
5 正
プリンヌクレオチドの新生経路において、イノシン 5ʼ–一リン酸(IMP)からのアデノシン 5ʼ–一リン酸(AMP)の生成には、グアノシン 5ʼ–三リン酸(GTP)が利用される。


解答
2、3、5(いずれか2つを選択すれば正解)

第104回薬剤師国家試験 問112

マウスの肝臓から酵素Xの精製を試みた。以下に実験手順の概要(①〜④)を示す。
①:ゲル濾過クロマトグラフィーにより肝臓抽出液Aを分画した。
②:各画分の酵素Xの活性を測定し、その活性が高い画分を集めたものをBとした。
③:Bを陰イオン交換クロマトグラフィーにより分画した。
④:各画分の酵素Xの活性を測定し、その活性が高い画分を集めたものをCとした。

上記A、B及びCの液量、タンパク質濃度、全タンパク質量と酵素活性(全活性及び比活性)を以下の表に示した。比活性とは、試料中のタンパク質の単位重量当たりの酵素活性のことである。
なお、酵素活性における1U(ユニット)は、1分間当たり、1µmolの生成物を生成する酵素の量を表す。

実験方法及び結果に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 A中の酵素Xの20%がBに回収されたと考えられる。
2 ゲル濾過クロマトグラフィーでは、分子量の小さなタンパク質ほど、早くカラムから溶出される。
3 陰イオン交換クロマトグラフィーでは、正の電荷をもった樹脂に酵素Xが保持されたと考えられる。
4 Bの比活性アはAの比活性よりも高い。
5 Cの比活性イは140 U/mgである。

 

 

 

 

 


解説
1 正
全活性≒酵素Xの量と考えることができるため、A中の酵素XがBに回収された割合は、以下のように求めることができる。

2 誤
ゲル濾過クロマトグラフィーでは、分子量の小さいタンパク質は固定相に保持されるため、分子量の小さいタンパク質ほど、遅くカラムから溶出される。
3 正
4 正
Bの比活性アは以下のように求めることができる。

上記より、Bの比活性アはAの比活性よりも高い。
5 誤
Cの比活性イは以下のように求めることができる。


解答
3、4

第104回薬剤師国家試験 問111

ヒトの微小管に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 体細胞分裂の際に生じる紡錘糸は、微小管により構成されている。
2 微小管はアクチンとミオシンが重合したものである。
3 神経細胞において、微小管は軸索輸送に関与する。
4 微小管の脱重合を阻害すると、腫瘍細胞の増殖が促進される。
5 微小管は、細胞外マトリックスの主要な成分の1つである。

 

 

 

 

 


解説
1 正
2 誤
微小管はチュブリンが重合したものである。
3 正
神経細胞の軸索は細長い突起であり、この軸索内ではタンパク質の合成がほとんど行われない。そのため、軸索内で必要なタンパク質は細胞体で合成された後、軸索輸送により供給されている。軸索輸送は、モータータンパク質(キネシン、ダイニン)が微小管を沿って移動することにより行われている。
4 誤
微小管の脱重合を阻害すると、細胞分裂の際、染色体が2つに分離できなくなるため、細胞分裂を抑制することができる。このことから、微小管の脱重合を阻害すると、腫瘍細胞の増殖が抑制される。
5 誤
微小管は、細胞内に存在するため、細胞外マトリックスにはほとんど含まれていない。細胞外マトリックスとは、細胞外の空間を充填する物質のことであり、主にコラーゲンや繊維タンパク質などで構成されている。


解答
1、3

第104回薬剤師国家試験 問110

胃に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 胃と食道の境界部を幽門とよぶ。
2 胃の筋層は、 3層からなる。
3 主細胞は、胃粘膜の保護に関わる粘液を胃内に分泌する。
4 壁細胞は、ビタミンKの小腸での吸収に必要な内因子を胃内に分泌する。
5 G細胞は、胃酸の分泌を促進するガストリンを血液中に分泌する。

 

 

 

 

 


解説
1 誤
胃と食道の境界部を噴門という。なお、幽門は胃と十二指腸の境界部のことである。
2 正
胃の筋層は、斜走筋、輪走筋、縦走筋の3層からなる。
3 誤
主細胞は、タンパク質の分解に関与するペプシノーゲンを分泌する。なお、胃粘膜に関わる粘液は副細胞より分泌される。
4 誤
壁細胞は、ビタミンB
12の小腸での吸収に必要な内因子を胃内に分泌する。
5 正


解答
2、5

第104回薬剤師国家試験 問109

図はヒトにおける3種類の筋組織の模式図である。これらの筋組織に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

 

 

 

 

 

1 Aは横紋筋であり、B及びCは平滑筋である。
2 B及びCはいずれも不随意筋であり、自律神経支配を受ける。
3 Aの収縮は、筋小胞体から放出された遊離 Ca2とカルモジュリンとの結合により起こる。
4 Bでは、細胞外から流入した Ca2が収縮に関与する。
5 リン酸化されたミオシン軽鎖キナーゼは、ミオシンとアクチンの架橋形成を促進し、Cの収縮を引き起こす。

 

 

 

 

 


解説
筋組織A:運動神経に支配されている→骨格筋(横紋筋)
筋組織B:介在板(電気的接合部)が存在→心筋(横紋筋)
筋組織C:横紋構造を有していない→平滑筋

1 誤
A、Bは横紋筋、Cは平滑筋である。
2 正
Bは心筋、Cは平滑筋であり、共に自律神経支配を受ける不随意筋である。
3 誤
Aは収縮する際、筋小胞体から放出された遊離 Ca2とトロポニンCが結合する。なお、Cの収縮は、筋小胞体から放出された遊離 Ca2とカルモジュリンとの結合により起こる。
4 正
Bは心筋であり、細胞外から流入したCa2が収縮に関与する。
5 誤
ミオシン軽鎖キナーゼは、ミオシンをリン酸化することでアクチンとの架橋形成を促進し、Cの収縮を引き起こす。


解答
2、4

第104回薬剤師国家試験 問108

日本薬局方収載生薬ア及びこれに含まれる化合物Aに関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。

1 Aは Ephedra sinica の地上茎に含まれる副交感神経興奮薬である。
2 アは桂枝湯に配合される生薬である。
3 アの確認試験として、薄層クロマトグラフィーを用い、噴霧用ニンヒドリン・エタノール試液によるAの検出が行われている。
4 アを含む漢方薬の使用上の注意として不眠がある。
5 ア及びAは、いずれも覚せい剤原料として取り扱われている。

 

 

 

 


解説
化合物Aの構造がエフェドリンであることから、日本薬局方収載生薬アはマオウであると判断することができる。
1 誤
エフェドリンは、Ephedra sinica の地上茎に含まれる交感神経興奮薬である。
2 誤
桂枝湯の構成生薬は、 ケイヒ、シャクヤク、ショウキョウ、カンゾウ、タイソウであり、桂枝湯にはマオウは含まれていない。
3 正
4 正
マオウは、交感神経興奮作用により不眠を誘発することがあるため、マオウを含む漢方薬の使用上の注意として不眠がある。
5 誤
エフェドリンは、10%以下を含有するものを除き、覚醒剤原料に指定されている。一方、マオウは、覚醒剤原料に指定されていない。


解答
3、4

第104回薬剤師国家試験 問107

コカインの化学構造を基に創出された局所麻酔薬はどれか。1つ選べ。

 

 

 

 

 

 


解説
選択肢のうち、コカインの化学構造を基に創出された局所麻酔薬は、Naチャネル遮断作用を有するプロカインアミド塩酸塩(選択肢4)である。
<選択肢の構造式(作用)>
1:アンレキサノクス(ケミカルメディエーター遊離抑制)
2:ホマトロピン臭化水素塩(ムスカリン受容体遮断)
3:ネオスチグミン硫酸塩(コリンエステラーゼ阻害)
4:プロカイン塩酸塩(Naチャネル遮断)
5:スキサメトニウム塩化物水和物(ニコチン性アセチルコリン受容体刺激)


解答
4

マリゼブ錠12.5mg/25mg(オマリグリプチン)

名称

商品名:マリゼブ
一般名:オマリグリプチン


剤形、規格

錠:12.5 mg/25 mg


構造


薬効分類

持続性選択的DPP−4阻害薬
(経口糖尿病用剤)


薬効薬理・作用機序

ジペプチジルペプチダーゼ 4(DPP−4)阻害剤は、 インクレチンホルモンの不活化を遅延させることにより、活性型インクレチン濃度を上昇させ、血糖依存的にインスリン分泌促進作用及びグルカゴン濃度低下作用を増強し血糖コントロールを改善する。


適応症、服用方法、使用方法

・2型糖尿病
通常、成人にはオマリグリプチンとして25mgを1週間に1回経口投与する。

下田武

本剤は主に腎臓で排泄されるため、重度腎障害患者、末期腎不全患者には投与量を調節することとされています。


使用できない場合(禁忌)

1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

2.重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡、1型糖尿病の患者
〔輸液及びインスリンによる速やかな高血糖の是正が必須となるので本剤を投与すべきでない。〕

3.インスリン注射による血糖管理が望まれる重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者
〔インスリン注射による血糖管理が望まれるので本剤の投与は適さない。〕


使用するにあたっての注意事項

1.本剤の使用にあたっては、患者に対し低血糖症状及びその対処方法について十分説明すること。特に、インスリン製剤又はスルホニルウレア剤と併用する場合、低血糖のリスクが増加するおそれがある。インスリン製剤又はスルホニルウレア剤による低血糖のリスクを軽減するため、これらの薬剤と併用する場合には、インスリン製剤又はスルホニルウレア剤の減量を検討すること。

2.糖尿病の診断が確立した患者に対してのみ適用を考慮すること。糖尿病以外にも耐糖能異常・尿糖陽性等、糖尿病類似の症状(腎性糖尿、甲状腺機能異常等)を有する疾患があることに留意すること。

3.本剤の適用はあらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を十分に行ったうえで効果が不十分な場合に限り考慮すること。

4.本剤投与中は、血糖を定期的に検査するとともに、経過を十分に観察し、常に投与継続の必要性について注意を払うこと。本剤を3ヵ月投与しても効果が不十分な場合、より適切と考えられる治療への変更を考慮すること。

5.投与の継続中に、投与の必要がなくなる場合があり、また、患者の不養生、感染症の合併等により効果がなくなったり、不十分となる場合があるので、食事摂取量、血糖値、感染症の有無等に留意の上、常に投与継続の可否、薬剤の選択等に注意すること。

6.DPP-4阻害剤投与により急性膵炎があらわれることがあるので、持続的な激しい腹痛、嘔吐等の初期症状があらわれた場合には、速やかに医師の診察を受けるよう患者に指導すること。

7.本剤とインスリン製剤との併用投与の有効性及び安全性は検討されていない。

8.低血糖症状を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与するときには注意すること。

9.本剤とGLP-1受容体作動薬はいずれもGLP−1受容体を介した血糖降下作用を有している。両剤を併用した際の臨床試験成績はなく、有効性及び安全性は確認されていない。

10.本剤は1週間に1回経口投与する薬剤であり、投与中止後も作用が持続するので、血糖値や副作用の発現について十分留意すること。また、本剤投与中止後に他の糖尿病用薬を使用するときは、血糖管理状況等を踏まえ、その投与開始時期及び用量を検討すること。


副作用

<主な副作用>
低血糖症状、便秘 など

<重大な副作用>
・低血糖
・類天疱瘡

<重大な副作用(類薬)>
・急性膵炎
・腸閉塞


体内動態

本剤は、肝臓でほとんど代謝を受けず、未変化体として体内に広く分布する。このことから、腎臓に移行する薬物量が少ないため、糸球体で濾過を受けにくい。また、糸球体で濾過を受けた後、その大部分が尿細管にて再吸収され、体循環を繰り返すため、持続的な作用を示す。


飲み合わせ(相互作用)

<併用注意>
・糖尿病用薬

( インスリン製剤、 スルホニルウレア剤、チアゾリジン系薬剤、ビグアナイド系薬剤、α−グルコシダーゼ阻害剤、速効型インスリン分泌促進薬、GLP-1受容体作動薬、SGLT2阻害剤等)
糖尿病用薬との併用時には、低血糖の発現に注意すること。特に、インスリン製剤又はスルホニルウレア剤と併用する場合、低血糖のリスクが増加するおそれがある。これらの薬剤による低血糖のリスクを軽減するため、インスリン製剤又はスルホニルウレア剤の減量を検討すること。低血糖症状が認められた場合には、糖質を含む食品を摂取するなど適切な処置を行うこと。α-グルコシダーゼ阻害剤との併用により低血糖症状が認められた場合には、ブドウ糖を投与すること。

・血糖降下作用を増強する薬剤
(β-遮断薬、サリチル酸剤、モノアミン酸化酵素阻害剤等)
上記薬剤と本剤を併用する場合には、血糖降下作用の増強によりさらに血糖が低下する可能性があるため、併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること

・血糖降下作用を減弱する薬剤
(アドレナリン、副腎皮質ホルモン、甲状腺ホルモン等)
上記薬剤と本剤を併用する場合には、血糖降下作用の減弱により血糖が上昇する可能性があるため、併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。


(注意事項)
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