日別アーカイブ: 2019年7月5日

第104回薬剤師国家試験 問339

37 歳男性。身長 170 cm 体重 62 kg。食道狭窄及び消化管出血のため絶食となり、高カロリー輸液の投与が開始された。他に投与されている薬剤はない。

この処方を監査した薬剤師が、医師に照会すべき内容として適切なのはどれか。 1つ選べ。

1 投与水分量の不足
2 味覚障害の発症
3 投与ナトリウム量の不足
4 偽アルドステロン症の発症
5 乳酸アシドーシスの発症

 

 

 

 

 

 


解説
1 誤
糞便中の水分量と代謝水はほぼ等しいため、尿量と不感蒸泄の和が必要な水分量となる(1日の体重あたりに必要な水分量:30〜35 mL/kg/日)。本患者の体重は62 kgであることから、本患者に必要な1日の水分量は約2000 mLとなる。
本患者は処方1)、処方2)により2,100mLの水分が補給されているため、投与水分量は適切であると考えられる。
2 誤
高カロリー輸液に亜鉛が含まれていないと、亜鉛不足による味覚障害を誘発する可能性がある。本処方には、処方1)に高カロリー輸液用微量元素製剤が含まれているため、亜鉛不足による味覚障害を発症する可能性は低いと考えられる。
3 正
高カロリー輸液療法における1日の体重あたりのナトリウムの投与量のめやすは、1〜2 mEq/kgとされている。本患者の体重は62 kgであることから、本患者に必要な1日のナトリウム量は約60〜120 mEqとなる。本患者は、総合アミノ酸製剤により1.20 mEqのナトリウムが補給されているため、ナトリウム量は不足していると考えられる。
4 誤
偽アルドステロン症は、主にカンゾウ(有効成分:グリチルリチン)により誘発される。本処方には、グリチルリチンは含有されていないため、偽アルドステロン症を発症する可能性は低いと考えられる。
5 誤
高カロリー輸液にビタミンB1が含まれていないと、乳酸アシドーシスを発症する。本処方には、処方1)に高カロリー輸液用総合ビタミン剤が含まれているため、ビタミンB1不足による乳酸アシドーシスを発症する可能性は低いと考えられる。


解答
3

オパルモン錠 5 µg(リマプロスト アルファデクス)

名称

商品名:オパルモン
(併売品:プロレナール)
一般名:リマプロストアルファデクス


剤形、規格

錠:5 µg


構造


薬効分類

経口プロスタグランジンE1誘導体製剤


薬効薬理・作用機序

リマプロストは強力な血管拡張作用により血流増加作用を示すとともに血小板凝集抑制作用を示すことから、閉塞性血栓血管炎に伴う潰瘍、疼痛および冷感などの虚血性諸症状に対して効果を示す。また、後天性の腰部脊柱管狭窄症に伴う自覚症状(下肢疼痛、下肢しびれ)および歩行能力に対する効果も認められている。

下田武

<腰部脊柱管狭窄症とリマプロスト>
神経は、人体の中央部では脊髄の中の空間(脊柱管)に存在しています。
加齢に伴い、腰部の脊柱管が狭窄すると馬尾神経(馬の尻尾のような形をした神経)が圧迫され、その結果、足の痺れや腰痛、間欠跛行が認められることがあります。
腰部の脊柱管が狭窄し、これらの症状が認められるのが腰部脊柱管狭窄症です。
腰部脊柱管狭窄症による自覚症状は、血流を改善すると緩和することから、リマプロストは腰部脊柱管狭窄症の自覚症状を緩和させるとされています。


適応症、服用方法、使用方法

1.閉塞性血栓血管炎に伴う潰瘍、疼痛および冷感などの虚血性諸症状の改善
通常成人に、リマプロストとして1日30μgを3回に分けて経口投与する。

2.後天性の腰部脊柱管狭窄症(SLR試験正常で、両側性の間欠跛行を呈する患者)に伴う自覚症状(下肢疼痛、下肢しびれ)および歩行能力の改善
通常成人に、リマプロストとして1日15μgを3回に分けて経口投与する。


使用できない場合(禁忌)

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人


使用するにあたっての注意事項

1.腰部脊柱管狭窄症に対しては、症状の経過観察を行い、漫然と継続投与しないこと。
2.腰部脊柱管狭窄症において、手術適応となるような重症例での有効性は確立していない。


副作用

<主な副作用>
胃部不快感、発疹、頭痛、下痢、貧血 など

<重大な副作用>
・肝機能障害、黄疸


飲み合わせ(相互作用)

<併用注意>
抗血小板剤
(アスピリン、チクロピジン、シロスタゾール)
血栓溶解剤
(ウロキナーゼ)
抗凝血剤
(ヘパリン、ワルファリン)
これらの薬剤と併用することにより出血傾向の増強をきたすおそれがある。


(注意事項)
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医薬品を使用する前には、必ず最新の添付文書を確認するようにしてください。