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第108回薬剤師国家試験 問232〜233 糖質制限

22歳女性。身長160cm、体重63kg。女性は肥満と体脂肪率が高いことを気にしており、糖質制限ダイエットによる摂取エネルギー制限が肥満予防に有用であると考えていた。インターネットや書籍の情報を基に糖質制限ダイエットを始めたが、過度の糖質制限は体に良くないと友人から聞き、不安になって近所の薬局を訪れて薬剤師に相談した。 

問232(実務)
薬剤師は女性に対し、糖質制限の問題点を説明した上で、食生活の改善と適度な運動を勧め、同時に特定保健用食品を試してみることを提案した。薬剤師が女性に提案した特定保健用食品の成分として最も適切なのはどれか。1つ選べ。

  1. 大豆イソフラボン
  2. キシリトール
  3. カゼインホスホペプチド(CPP)
  4. 茶カテキン
  5. ラクトトリペプチド
解答・解説

解答

解説
1 不適切
 大豆イソフラボンは、骨の健康が気になる方に適する特定保健用食品の関与成分である。

2 不適切
 キシリトールは、歯を丈夫で健康に保ちたい方に適する特定保健用食品の関与成分である。

3 不適切
 カゼインホスホペプチド(CPP)は、カルシウムなどのミネラルの吸収を助ける特定保健用食品の関与成分である。

4 適切
 茶カテキンは、体脂肪が気になる方に適する特定保健用食品の関与成分である。

5 不適切
 ラクトトリペプチドは、血圧が気になる方に適する特定保健用食品の関与成分である。

問233(衛生) 
 この女性の相談をきっかけに、薬局が開催する地域住民向け健康セミナーで糖質制限のことを取り上げることになり、薬局内で勉強会を行った。糖質制限が糖質、タンパク質及び脂質の代謝に及ぼす影響に関する記述のうち、正しいのはどれか。2選べ。

  1. 糖質制限を行うと、膵臓からインスリン分泌が亢進する。
  2. 糖質の摂取不足により血中グルコース濃度の低下が起こると、アミノ酸、乳酸、グリセロールのいずれからもグルコースが作られる。
  3. 糖質制限が続くと、肝臓で遊離脂肪酸のβ酸化が亢進し、大量に生成したアセチルCoAからケトン体が産生される。
  4. 肝臓のグリコーゲンは、糖質制限状態ではエネルギー源としては利用されない。
  5. 脳や神経系の細胞は、グルコースを細胞内に貯蔵しているため、糖質制限の影響を受けにくい。
解答・解説

解答
2、3

解説
1 誤
糖質制限することで体内の糖質が少なくなると、膵臓のα細胞からグルカゴンが分泌され糖新生が促進する。それに対して、糖質を過剰に摂取すると、膵臓のβ細胞からインスリン分泌され血糖値が降下する。

2 正
糖質の摂取不足により血中グルコース濃度の低下が起こると、糖新生が促進され、その材料としてアミノ酸、乳酸、グリセロールが用いられる。

3 正
糖質制限が続くと、脂肪組織中のトリグリセリドが分解し、それに伴って肝臓で遊離脂肪酸のβ酸化が亢進することで、大量に生成したアセチルCoAからケトン体(アセト酢酸、アセトン、βヒドロキシ酪酸)が産生される。

4 誤
肝臓には、グルコース-6-ホスファターゼが存在するため、糖質制限状態となると、肝臓に存在するグリコーゲンからグルコースが生成され、エネルギー源として用いられる。

5 誤
脳や神経系の細胞は、グルコースを細胞内に貯蔵することができないため、糖質制限の影響を受けやすい。

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