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第108回薬剤師国家試験 問345(実践問題) 褥瘡

 75歳男性。身長165cm、体重55kg。3年前に発症した右脳梗塞の後遺症のために、左半身麻痺があり、通院にてリハビリを行っている。ベッド上で過ごすことが多く、自力による体位変換はほとんどできず、1日3回のオムツ交換を行っている。今回、肺炎の疑いにて緊急入院となった。入院後、褥瘡対策チームが回診を行ったところ、仙骨部に3×5cmの褥瘡を認めた。創面は黄色、皮下脂肪組織までの欠損があり、感染を伴う混濁した黄色の浸出液が多く認められた。そのため、以下の処方で治療が開始されることとなった。

(入院時検査所見)
血清アルブミン2.1g/dL、CRP 11.0mg/dL、白血球18,000/μL、
AST 24IU/L、ALT 22IU/L、BUN 22.9mg/dL、血清クレアチニン0.9mg/dL

 薬剤師から家族への説明として、適切でないのはどれか。1つ選べ。

  1. この薬は、滲出液が多い場合に使用します。
  2. この薬は、殺菌作用により患部の回復を早めるために使用します。
  3. この薬は、創面を保護するために使用します。
  4. 栄養状態が良くないので、十分な栄養が必要です。
  5. 褥瘡の重症化予防のため、定期的な体位変換が必要です。 

解答・解説

解答

解説
1 適切である
 本剤(カデックス軟膏)の基材は、水溶性基材であるマクロゴールであることから滲出液の吸収を目的として用いられる。

2 適切である
 本剤にはヨウ素が含まれているため、殺菌作用により患部の回復を促進する作用を有する。

3 誤っている
 本剤の基材は水溶性基材であるため、創面を保護する目的で用いられない。

4 適切である
 本患者の血清アルブミン(基準値:4.0〜5.0g/dL)が低値を示しているため、栄養状態が悪いことにより褥瘡を誘発している可能性がある。そのため、栄養状態を良くするために十分な栄養が必要である。

5 適切である
 褥瘡の主な原因として、体圧による持続的な圧迫、栄養状態の悪化、湿潤、ADLの低下があげられる。定期的に体位変換を行うことにより、長時間同じ部位が圧迫されることを回避できるため、褥瘡の重症化を予防することが可能となる。

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