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第108回薬剤師国家試験 問344(実践問題) 抗悪性腫瘍薬投与時の服薬指導

 51歳男性。身長170cm、体重57kg。健康診断の胸部X線検査にて異常が見られたため、胸部CTなど精査を行ったところ、EGFR遺伝子変異陽性、進行・切除不能(StageIV)の非小細胞肺癌と診断され、以下の処方で治療を開始することとなった。

薬剤師が本剤の服用開始にあたり、患者に指導すべき内容として、適切でないのはどれか。1つ選べ。

  1. 食事の影響を回避するため、本剤服用後1時間は食事をしない。
  2. 副作用発現の可能性が高まるため、グレープフルーツを摂取しない。
  3. 咳嗽、発熱などが生じた場合は、すぐに医師に連絡する。
  4. 下痢が発現した際には、止瀉薬を直ちに服用する。
  5. 爪囲炎やざ瘡様皮疹対策として、保湿剤を塗布する。 

解答・解説

解答

解説
1 適切である
 本剤を食後に投与すると、AUC及びCmaxが低下するため、本剤服用後1時間は食事をしないよう指導する必要がある。

2 適切でない
 本剤とグレープフルーツとの相互作用は報告されていないため、グレープフルーツを摂取しないように指導することは適切ではない。

3 適切である
 本剤は重大な副作用として間質性肺疾患を起こすことがあるため、咳嗽、発熱などが生じた場合は、すぐに医師に連絡するように指導する必要がある。

4 適切である
 本剤投与により下痢が認められた場合には、直ちに止瀉薬を服用する必要がある。ただし、止瀉薬を継続して投与しても症状が改善しない場合には、本剤の投与中断や減量を行うことが推奨される。

5 適切である
 本剤投与によりざ瘡様皮疹や爪周炎などを生じることがあるため、その対策として副腎皮質ステロイド性外用剤、保湿剤(ヘパリン類似物質)を塗布する。

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