1,2−ジメチルシクロヘキサンの構造Aに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- Aはシス体である。
- Aのエナンチオマーはアである。
- Aのいす形配座が環反転した配座異性体はイである。
- Aのメチル基は、両方ともエクアトリアル位に結合している。
- Aのメチル基同士に働く、1,3-ジアキシアル相互作用により不安定化されている。
1,2−ジメチルシクロヘキサンの構造Aに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
解答 解説 1 誤 2 誤 3 正 4 正 5 誤解答・解説
3、4
構造A、アおよびイは、いずれもtrans-1,2-ジメチルシクロヘキサンである。
Aは、メチル基が共にシクロヘキサンに対して反対側に結合しているため、トランス体である。
Aとアは同一化合物である。
Aのいす形配座を環反転すると、いすの向きが逆になり置換基の立体配座が変化し、配座異性体のイとなる。なお、配座異性体とは、単結合の回転により相互変換可能な異性体のことであり、配座異性体同士では、絶対配置は変化しない。
シクロヘキサンのいす形配座において、垂直方向の結合をアキシアル結合、斜め方向の結合をエクアトリアル結合という。よって、Aのメチル基は両方ともエクアトリアル位に結合している。
Aのメチル基は共にエクアトリアル位に結合しているため、1,3-ジアキシアル相互作用は働かない。なお、イのメチル基は共にアキシアル位に結合しているため、1,3-ジアキシアル相互作用が働く。
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