解答
1、3
解説
本患者はeGFR42.6mL/min/1.73m2であり、腎機能が低下している。また、力が入りにくくなったとの訴えがあることから、筋力低下が現れている可能性がある。また、Cockcroft-Gault式を用いてクレアチニンクリアランスを算出すると約40mL/minである。
●Cockcroft-Gault式を用いたクレアチニンクリアランスの算出
(140-年齢)×体重/(72×血清クレアチニン値)
(140-72)×60÷(72×1.4)≒40.5
1 正
酸化マグネシウムは、通常成人に1日2gを3回に分割経口投与するか、または就寝前に1回投与するとされている。本患者に対して、酸化マグネシウムが1日3gを3回分割投与で処方されている(通常量よりも多く処方されている)とともに、腎機能低下によりマグネシウムの排泄が低下している可能性があるため、血清マグネシウム値を確認する必要がある。なお、高マグネシウム血症では、悪心・嘔吐、徐脈、口渇、血圧低下、筋力低下、傾眠などの症状が認められる。
2 誤
ファモジチンは腎機能に応じて用量調節する必要がある。
本患者はクレアチニンクリアランスが約40mL/minであり、処方されている量が用量範囲内であるため、減量する必要はない。
3 正
プレガバリンは腎機能に応じて用量調節する必要がある。
本患者はクレアチニンクリアランスが約40mL/minであり、最高投与量で処方されており、副作用である脱力感が現れている可能性があるため、減量を検討する必要がある。
4 誤
シタグリプチンは腎機能に応じて用量調節する必要がある。
本患者はクレアチニンクリアランスが約40mL/minであり、処方されている量が用量範囲内であるため、減量する必要はない。
5 誤
バルサルタンは、重篤な腎機能障害(血清クレアチニン値が3.0mg/dL以上)の場合、投与量を減らすなど慎重に投与することとされている。本患者はScr1.4mg/dLであり、処方されている量が用量範囲内であるため、減量する必要はない。
コメント