脂質の代謝に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ホスホリパーゼCは、リン脂質のC2位の脂肪酸を加水分解してリゾリン脂質を生じさせる。
- 脂肪酸は、アシル-CoAのβ酸化反応で分解される。
- 脂肪酸は、C2単位の縮合で合成される。
- 動物はリノール酸を合成できるので、食品から摂取する必要はない。
脂質の代謝に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
解答 解説 2 正 3 正 4 誤解答・解説
2、3
1 誤
リン脂質のC2位の脂肪酸を加水分解してリゾリン脂質を生じさせるのは、ホスホリパーゼA2である。 なお、ホスホリパーゼCは、グリセロリン脂質のC3位のリン酸を加水分解して、ジアシルグリセロールを生成する。
脂肪酸は、細胞質においてATP存在下でCoAと反応しアシルCoAに活性化された後、ミトコンドリアマトリックスでβ酸化を受け酸化分解される。β酸化ではFADH2、NADHが生じ、それらはクエン酸回路や電子伝達系、酸化的リン酸化反応においてATP産生に利用される。
脂肪酸の生合成は、細胞質において、ATPを利用してアセチルCoAをカルボキシ化しマロニルCoAを生成する過程と、アシルCoAにマロニルCoAを縮合している過程の2段階で進行する。よって、脂肪酸は、アシルCoAにマロニルCoA由来のC2単位の縮合を繰り返すことで生合成される。
リノール酸は、動物体内で生合成できないため、食事から摂取する必要がある(必須脂肪酸)。
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