薬物の生体膜透過におけるpH分配仮説に関する記述について、正しいのはどれか。1つ選べ。
- 消化管の粘膜を介する吸収に関する仮説であり、他の粘膜透過には適用されない。
- 単純拡散による膜透過に関する仮説であり、能動輸送には適用されない。
- 薬物の生体膜透過は分子形によるものと仮定し、分子形分率はNoyes-Whitneyの式で求められる。
- 小腸における吸収性がこの仮説に基づく予測からずれることがあるが、これは粘膜表面が弱アルカリ性のpHに保たれていることが一因である。
薬物の生体膜透過におけるpH分配仮説に関する記述について、正しいのはどれか。1つ選べ。
解答
2
解説
1 誤
pH分配仮説は、消化管のみならず他の臓器の粘膜透過にもあてはまるため、口腔粘膜や鼻粘膜などの膜透過にも適用できる。
2 正
3 誤
分子型分率は、Henderson–Hasselbalchの式で求められる。なお、Noyes-Whitneyの式は溶解速度を求める際に用いられる。
4 誤
小腸粘膜上皮では、Na+/H+交換系により管腔側にH+が汲み出されるため、小腸上皮近傍ではpHが低く保たれている。このことから、弱酸性薬物において、そのほどんとがイオン形として存在しているpHにおいても吸収が良好なものがあり、pH分配仮説からずれることがある。
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