電解質溶液の導電率に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- KClのモル導電率は、濃度に対して直線的に減少する。
- KClの極限モル導電率は、構成イオンの極限モル導電率の差で表される。
- KClのモル導電率がLiClのモル導電率より大きいのは、Li+がK+より強く水和しているため、Li+の移動が抑えられているからである。
- H+の極限モル導電率は、金属イオンの極限モル導電率より大きい。
電解質溶液の導電率に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
解答 解説 2 誤 3 正 4 正解答・解説
3、4
1 誤
KClなどの強電解質のモル伝導率は、濃度の平方根に対して直線的に減少する。
KClの極限モル導電率は、構成イオンの極限モル導電率の和で表される。
アルカリ金属イオンにおけるモル伝導率の大小関係は、Li+<Na+<K+となっており、イオン結晶半径が大きいほど値が大きくなっている。通常、小さいイオンほど水中を移動しやすく、モル伝導率が大きくなると予想されるが、実際には順序が逆となっている。この理由としては、Li+、Na+、K+は同じ電荷をもっていてもイオン自身の大きさが小さいほど、その周囲の電場が強くなり極性をもつ水分子が強く引き寄せられ(水和し)見かけ上大きいイオンとなって移動するためである。
H+とOH-の極限モル伝導率は、他のイオンに比べ大きな値を示す。H+とOH-が大きな値を示す理由は、水素結合の生成と切断を通じて、水中を移動するためである。
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