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第89回薬剤師国家試験 問31(改)(基礎薬学) 熱分析

下図は、融点を有する化合物の水和物結晶について、TG(熱質量測定法)及びDSC(示差走査熱量測定法)による熱分析の結果を示している。これに関する記述について、誤っているのはどれか。2つ選べ。

  1. 温度aは、化合物水和物の脱水温度を示している。
  2. 温度bに対応するDSCピーク面積は、化合物の蒸発エンタルピーを示している。
  3. 温度cは、化合物の分解し始める温度を示している。
  4. 熱分析法では、化合物の結晶多形と溶媒和結晶の区別をすることはできない。
  5. 熱分析法では、通例基準物質として熱分析用α-アルミナが用いられるが、これは通常の測定温度範囲内で熱変化しないことによる。

解答・解説

解答
2、4

解説
1 正しい

温度aにおいてTG曲線が低下していること(質量が減少したことが示唆される)、DSC曲線が吸熱を示しているとから、温度aにおいてこの水和物の脱水反応が起こっていると考えられる。

2 誤っている
温度bにおいてTG曲線が低下していないこと(質量が変動していないことが示唆される)、DSC曲線が吸熱を示していることから、 温度bにおいてこの化合物は融解していると考えられる。このことから、温度bに対応するDSCピーク面積は、化合物の融解エンタルピーを示していると考えられる。

3 正しい
温度cにおいてTG曲線が急激に低下していることから、温度cにおいて化合物が分解により気化したと考えられる。

4 誤っている
熱分析法において、結晶多形では熱的変化はあるが、質量変化が認められない。それに対して溶媒和結晶では溶媒が脱離する際に、熱的変化および質量変化が認められる。そのため、熱分析法は、結晶多型と溶媒和結晶の区別に有効である。

5 正しい

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