MENU
業界最安値、最高の講義、未来を切り拓く教育体験❕ クリック

第108回薬剤師国家試験 問326(実践問題) 副作用・相互作用

36歳男性。身長172cm、体重61kg。アルコール性肝硬変による末期肝不全に対して、妻をドナーとして生体肝移植術が施行された。術後4週間で退院し、退院2週間後1回目の診察において、退院時処方は処方1に変更されるとともに処方2も追加された。退院6週間後3回目となる今回の診察において、タクロリムス及びエベロリムスの血中濃度が前回に比べて上昇していた。退院当日から今回までの検査値等の推移と患者からの今回の聞き取り内容を示す。

 以上の経過から、薬剤師のアセスメントとして誤っているのはどれか。1つ選べ。 

  1. 口内炎は、エベロリムスの副作用である。
  2. スウィーティーを食べたことにより、エベロリムスの血中濃度が上昇した。
  3. エベロリムスの併用によりタクロリムスの血中濃度が上昇した。
  4. 足のむくみは、タクロリムスの副作用である。
  5. ST配合錠の継続はエベロリムスの血中濃度の上昇と無関係である。 

解答・解説

解答

解説
1 正しい
 エベロリムスは、重大な副作用として、間質性肺疾患、感染症、腎不全、高血糖、貧血、口内炎等を起こすことがある。

2 正しい
 スウィーティーを食べた後、エベロリムスの血中濃度が上昇していることから、スウィーティーに含まれるフラノクマリン類により小腸のCYP3A4が阻害されることによりエベロリムスの代謝が阻害され、血中濃度が上昇していると推察される。

3 誤っている
 退院2週間後、タクロリムスが5mg→3mgに減量され、その際、エベロリムスが追加された。その後、次回受診時(退院後4週間)のタクロリムスの血中濃度が約5分の3に低下していることから、エベロリムスの併用によりタクロリムスの血中濃度が上昇するとは考えられない。

4 正しい
 タクロリムスは、副作用として、急性腎障害、心不全、浮腫、高血糖等を起こすことがある。

5 正しい
 ST配合錠とエベロリムスの相互作用は報告されていないため、ST配合錠の継続はエベロリムスの血中濃度の上昇と無関係であると推察される。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次