富栄養化は、水中に N、P などの微生物の栄養源が高濃度で存在することにより生じる水質汚濁の原因であり、湖沼では水の華※1、海域では赤潮※2 という現象が発生しやすい。
※1 藍藻類の一種であるアオコの異常増殖により、水面が緑色に見える状態
※2 珪藻類や渦鞭毛類などの異常増殖により、水面が赤色(カロテノイドと呼ばれる色素が原因)に見える状態
【富栄養化が起きるまでの過程】
- 窒素、リン(N、P)などの増加(生活雑排水の寄与が大きい)
N、P は、水の流入が起きやすい河川では高濃度になりにくく、閉鎖性水域の湖沼や海域では高濃度になりやすい。 - N、P を栄養源とする植物プランクトンが異常増殖
植物プランクトンの藍藻類や放線菌などの増加により、かび臭物質のジェオスミン、2−メチルボルネオールの他、肝毒性物質のミクロシスチンを生成する。 - 異常増殖したプランクトン群集の死骸が沈降
- 水中でプランクトンの死骸を好気性微生物が分解し、溶存酸素が低下
- 溶存酸素の急激な低下により貧酸素水塊が形成され、魚介類の斃死
- 嫌気性微生物が優位となり、悪臭の原因となる物質などの生成により水質の悪化
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