サイトカイン:細胞間の情報伝達を担うタンパク質
インターロイキン インターフェロン コロニー刺激因子
エリスロポエチン トロンボポエチン
上皮増殖因子(EGF) 血管内皮細胞増殖因子(VEGF) ケモカイン
【代表的なサイトカイン】
- 極微量で生理活性を示す
- 生体防御(免疫、炎症など)、抗腫瘍作用、抗ウイルス作用、細胞増殖、分化の調節に関与する
- 標的細胞表面に存在する受容体によって作用を発現する
- 一つのサイトカインが多様な生理活性を示す
- 異なるサイトカインが、同じ標的細胞に対して同一の作用を示す(作用の重複性)
- 種々のサイトカイン間での相互依存性、相互制御性が認められる
- オートクリン(産生細胞自身作用する)、パラクリン(近傍細胞に作用する)、エンドクリン(離れた細胞に作用する)が認められる
【サイトカインの特徴】
◉造血系に関わるサイトカイン
- エリスロポエチンに関連する薬
腎機能が低下すると、エリスロポエチンが減少し、腎性貧血を呈する
腎性貧血に対して、エリスロポエチンを補うために、エポエチンアルファ、ダルベポエチン、HIF-PH阻害薬が用いられる
- 顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)に関連する薬
抗がん剤使用による好中球減少症、再生不良性貧血に伴う好中球減少症等に用いられる
代表的な薬:フィルグラスチム、レノグラスチム
- トロンボポエチンに関連する薬
慢性特発性血小板減少症、再生不良性貧血等血小板減少症に用いられる
代表的な薬:エルトロンボパグ オラミン
◉免疫系、炎症に関わるサイトカイン
- IL-2に関連する薬
テセロイキン
(遺伝子組換え型インターロイキン2製剤)
T細胞、NK細胞に結合し、活性化することで細胞障害能の高いキラーT細胞を誘導して腫瘍を障害する
B細胞、マクロファージに結合し、免疫を賦活化する
シクロスポリン、タクロリムス
(カルシニューリン阻害薬)
脱リン酸化酵素であるカルシニューリンを阻害し、IL-2の生成を阻害し、免疫抑制作用を示す
バシリキシマブ
(ヒトIL-2受容体α鎖に対するモノクローナル抗体)
- IL-4、IL-5に関連する薬
スプラタスト
(アレルギー性疾患治療薬)
ヘルパーT細胞からのIL-4、IL-5の産生の抑制に基づく、好酸球浸潤抑制作用、IgE産生抑制作用等により抗アレルギー作用を発揮する
- IL-4、IL-13に関連する薬
デュピルマブ
(ヒト型抗ヒトIL-4/13受容体モノクローナル抗体)
既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎、気管支喘息等に用いられる
- IL-6に関連する薬
トシリズマブ
(ヒト化ヒトIL-6レセプターモノクローナル抗体)
既存治療で効果不十分な関節リウマチ等に用いられる
- IFNαに関連する製剤
ペグインターフェロンα-2a製剤
B型肝炎、C型肝炎治療に用いられる
- TNF-αに関連する製剤
インフリキシマブ
(キメラ型抗ヒトTNF−αモノクローナル抗体)
既存治療で効果不十分な関節リウマチの治療に用いられる
アダリムマブ
(完全ヒト型抗ヒトTNF−αモノクローナル抗体 )
関節リウマチ、中等症または重症の潰瘍性大腸炎の治療等の治療に用いられる
エタネルセプト
(完全ヒト型可溶性TNF−α/LT−α受容体)
既存治療で効果不十分な関節リウマチの治療薬として用いられる
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