◉名称、化学構造
一般名:ビソプロロールフマル酸塩
商品名:メインテート
◉分類
選択的β1アンタゴニスト
◉効能・効果
- 狭心症
- 心室性期外収縮
- 次の状態で、アンジオテンシン変換酵素阻害薬又はアンジオテンシンII受容体拮抗薬、利尿薬、ジギタリス製剤等の基礎治療を受けている患者
虚血性心疾患又は拡張型心筋症に基づく慢性心不全 - 頻脈性心房細動
◉薬効薬理
選択性が高いβ1アンタゴニストでISA(内因性交感神経刺激作用)はなく、降圧作用、抗狭心症作用、抗不整脈(心室性期外収縮)作用を示す
◉使用する際の注意
- 投与が長期にわたる場合は、心機能検査(脈拍、血圧、心電図、X線等)を定期的に行う
徐脈又は低血圧の症状があらわれた場合には減量又は投与を中止する - 類似化合物(プロプラノロール塩酸塩)使用中の狭心症患者で急に投与を中止したとき、症状が悪化したり、心筋梗塞を起こした症例が報告されているので、休薬を要する場合は徐々に減量し、観察を十分に行う、また、患者に医師の指示なしに服薬を中止しないよう注意する
- 手術前48時間は投与しないことが望ましい
- めまい、ふらつきがあらわれることがあるので、本剤投与中の患者(特に投与初期)には自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させる
- 慢性心不全患者に投与する場合には、本剤の投与初期及び増量時は、入院下で投与することが望ましい
- 本剤の投与初期及び増量時は、心不全の悪化、浮腫、体重増加、めまい、低血圧、徐脈、血糖値の変動及び腎機能の悪化が起こりやすいので、観察を十分に行い、忍容性を確認する
- 本剤の投与初期又は増量時における心不全や体液貯留の悪化(浮腫、体重増加等)を防ぐため、本剤の投与前に体液貯留の治療を十分に行う
- 本剤の投与を急に中止した場合、心不全が一過性に悪化するおそれがあるので、本剤を中止する場合には、急に投与を中止せず、原則として徐々に減量し中止する
◉相互作用
◉薬力学的相互作用の要因
- 交感神経の機能を抑制する薬(レセルピン等)により、交感神経抑制作用が増強する
- 本剤のβ受容体遮断作用によりグリコーゲン分解が抑制されるため、血糖降下作用のある薬剤(インスリン、糖尿病治療薬等)の作用が増強する
- 心機能を抑制する薬(カルシウム拮抗薬、ジギタリス製剤、抗不整脈薬等)と併用すると、心機能抑制作用が増強する
- 血圧降下作用を減弱する薬(NSAID等)と併用すると本剤の血圧降下作用が減弱する
- 血圧降下作用を有する薬(降圧薬等)と併用すると血圧降下作用が増強する
◉副作用
◉主な副作用
徐脈、めまい、ふらつき、けん怠感、心不全、呼吸困難、低血圧、浮腫、頭痛、腹部不快感、頻尿など
◉重大な副作用[初期症状]
心不全、完全房室ブロック、高度徐脈、洞不全症候群[ めまい、息苦しい、むくみ]
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