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アンギオテンシン受容体ネプリライシン阻害剤 サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物

◉名称、化学構造

一般名:サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物
商品名:エンレスト

◉分類

アンギオテンシン受容体ネプリライシン阻害剤

◉効能・効果

  • 慢性心不全
    ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る。
  • 高血圧症

◉薬理作用

サクビトリルバルサルタンは、サクビトリル及びバルサルタンに解離して、それぞれネプリライシン(NEP)及びアンジオテンシンⅡタイプ1(AT1)受容体を阻害する。
NEP阻害は、血管拡張作用、利尿作用、レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系(RAAS)抑制作用、交感神経抑制作用、心肥大抑制作用、抗線維化作用、及びアルドステロン分泌抑制作用を有するナトリウム利尿ペプチドの作用亢進に寄与する。
バルサルタンのAT1受容体拮抗作用は、血管収縮、腎ナトリウム・体液貯留、心筋肥大、及び心血管リモデリング異常に対する抑制作用をもたらす。

◉使用する際の注意

  • 血管浮腫があらわれるおそれがあるため、本剤投与前にアンジオテンシン変換酵素阻害薬が投与されている場合は、少なくとも本剤投与開始36時間前に中止する
  • アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬投与中に肝炎等の重篤な肝障害があらわれたとの報告があるので、肝機能検査を実施するなど観察を十分に行う
  • 脱水があらわれるおそれがあるため、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、本剤の減量、投与中止や補液等の適切な処置を行う
  • 手術前24時間は投与しないことが望ましい。麻酔及び手術中にレニン-アンジオテンシン系の抑制作用による低血圧を起こす可能性がある
  • 降圧作用に基づくめまい、ふらつきがあらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させる

◉体内動態

Sacubitrilat及びバルサルタンはOATP1B1及びOATP1B3の基質である

◉相互作用

薬物動態学的相互作用の要因

  • 本剤がOATP1B1及びOATP1B3を介する薬剤の肝臓への取り込みを阻害するため、OATP1B1及びOATP1B3の基質となる薬物の血中濃度が増加する

薬力学的相互作用の要因

  • 本剤のネプリライシン阻害作用により、ブラジキニンの分解が阻害されるため、ブラジキニンの分解を抑制する薬物と併用すると、血管浮腫を誘発する
  • 本剤によりレニン-アンギオテンシン-アルドステロン系の機能が抑制されるため、レニン-アンギオテンシン-アルドステロン系の機能を抑制する薬と併用すると、両剤の作用が増強し、高K血症等を呈する
  • 本剤のcGMP増加作用により、cGMPの分解に関わるホスホジエステラーゼⅤ阻害作用を併用すると両剤の作用が増強する
  • 尿細管においてKの再取り込みを促進する薬と併用すると高K血症を誘発する
  • プロスタグランジン生合成阻害作用を有する薬剤により本剤の降圧作用が減弱する
  • プロスタグランジン生合成阻害作用を有する薬剤により腎機能を悪化させる
  • 本剤のナトリウム排泄作用によりリチウム製剤の血中濃度が上昇することがある

◉副作用

◉主な副作用

低血圧、腎機能障害など

◉重大な副作用[初期症状]

  • 血管浮腫[まぶた、口唇、舌の腫れ、飲み込みにくい、呼吸困難(気道のむくみによる)]
  • 低血圧[全身倦怠感、めまい、ふらつき]
  • 高カリウム血症[手足や唇のしびれ、筋力の減退、手足の麻痺]
  • ショック、失神、意識消失[冷汗、顔面蒼白、気を失う]
  • 腎機能障害、腎不全[尿量減少、むくみ、食欲低下]

 

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