化合物Aの質量分析スペクトル(EI-MS)は下図のとおりである。また、高分解能測定により、その組成はC6H4Br2であることがわかった。また、1H-NMR測定を行ったところ、7.2 ppm付近に、シグナルを1本観測したのみであった。以下の記述について、誤っているのはどれか。2つ選べ。
- 臭素の安定同位体は、整数原子量が79と81のものがほぼ1:1で存在するため、M+(分子イオンピーク)とM++2、M++4の3本のピークは、強度比約1:2:1で観測される。
- ほぼ同じ強度をもつ155と157の2本のピークは、分子イオンから臭素原子が1つ脱離したフラグメントに由来する。
- 精密質量は、各原子の安定同位体の比率を考慮した平均原子量をもとに計算される。
- 1H-NMR測定で1本しかピークが観測されなかったのは、4つのプロトンが磁気的等価な関係にあったためである。
- 化合物Aは、m−ジブロモベンゼンである。
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