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第107回薬剤師国家試験 問344 頻脈性不整脈 

53歳男性。入院中に発症した頻脈性不整脈に対して以下の処方が開始となった。

 4日後、朝服用して2時間後に血中濃度を測定すると920ng/mLとなっていた(目標域:800ng/mL以下)。なお、患者のeGFRは30mL/min/1.73m2であり、肝機能値は正常範囲内であった。この症例に対する薬剤師が医師に行う提案として、適切でないのはどれか。1つ選べ。

  1. 徐脈や血圧低下の可能性があるため、脈拍数と血圧をモニターする。
  2. 低血糖が現れる可能性があるため、血糖値を測定する。
  3. PQの延長やQRS幅の増大などの心電図異常が認められる可能性があるため、心電図をモニターする。
  4. 腎機能に応じた投与量の減量をする。
  5. 過量投与への対応として5%ブドウ糖液とフロセミドを使用する。

解答・解説

解答
5

解説
 シベンゾリンはVaughan Williams分類Ia群の抗不整脈薬であり、Naチャネルを遮断することにより活動電位の立ち上がり0相を抑制する。また、Kチャネルを遮断することにより活動電位持続時間と不応期を延長する。そのため、シベンソリンを服用することにより徐脈、血圧低下、PQ延長、QRS幅の増大などが現れることがある。

1 正しい

2 正しい
 シベンゾリンは、副作用として低血糖を起こすことがあるため、血糖値を測定する必要がある。

3 正しい

4 正しい
 シベンゾリンは、腎消失型薬物であり、患者のeGFRは30mL/min/1.73m2、血中濃度が目標域よりも高いことから、腎機能に応じた投与量を決定すべきである。

5 誤っている
 過量投与への対応として乳酸ナトリウムを必要に応じカリウムとともに持続注入する。また、心抑制症状に対しては必要に応じてドパミン、ドブタミン、イソプレナリン等の投与を行い、低血糖のみ現れている場合は、ブドウ糖の投与を行うが、フロセミドの投与は行わない。

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