HOME > 第106回薬剤師国家試験 > 第106回薬剤師国家試験 第106回薬剤師国家試験 問187(理論問題) 過去問解説 2023年1月13日 慢性腎臓病の病態と治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。 腎機能障害又は腎機能低下が3ヶ月以上持続する状態である。 合併症として貧血がある。 低張尿となる。 尿毒症の症状改善にラクツロースを内服する。 尿毒症状の発症を抑制するために、タンパク質を積極的に摂取させる。 解答・解説 解答 1、2 解説 1 正 慢性腎臓病(CKD:chronic kidney disease)とは、推算糸球体濾過量(eGFR)が60mL/分/1.73m2未満の腎機能低下、あるいはタンパク尿など腎機能障害を示唆する所見が3ヶ月以上持続する状態である。 2 正 腎機能低下に伴い、赤血球の産生に関与するエリスロポエチンの産生が低下するため、慢性腎臓病では貧血を合併することがある。 3 誤 健常人では、尿の濃縮能が保たれているため、高張尿となるが、慢性腎臓病では、腎機能低下に伴い、尿濃縮能が低下し、等張尿となる。 4 誤 尿毒症の症状改善には、球形吸着炭が用いられる。なお、ラクツロースは、高アンモニア血症に伴う精神神経障害、手指振戦、脳波異常の改善に用いられる。 5 誤 タンパク質を多く摂取すると、糸球体内圧が上昇し、腎機能の低下が進行する。そのため、CKD患者の食事療法として、低タンパク食が推奨される。 Twitter Share Pocket Hatena LINE コピーする -第106回薬剤師国家試験