35歳男性。身長173cm、体重85kg。父親が糖尿病。既往歴なし。喫煙歴なし。機会飲酒。会社事務職で日頃より運動不足であり、毎日1L以上の甘い清涼飲料水を飲用していた。この1年間で体重が3kg増加したが、ここ数ヶ月は体重の減少を自覚している。7日前より全身倦怠感、口渇及び多尿を認めたため外来受診した。受診時の意識は清明であり、血糖値480mg/dL、HbA1c11.0%(NGSP値)、尿糖(4+)、尿蛋白(-)、尿中ケトン体(3+)であった。
問166(薬理)
血糖降下作用を有する薬物の作用機序に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- メトホルミンは、ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)を阻害することで、血中インクレチン濃度を上昇させる。
- カナグリフロジンは、ナトリウム-グルコース共輸送体2(SGLT2)を阻害することで、腎尿細管におけるグルコースの再吸収を抑制する。
- アログリプチンは、AMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)を活性化することで、肝臓での糖新生を抑制する。
- インスリンデグルデクは、骨格筋や脂肪組織におけるグルコースの細胞内取り込みを促進する。
- リキシセナチドは、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体を刺激することで、インスリン及びグルカゴン分泌を促進する。

問167(病態・薬物治療)
この患者で、血中濃度が顕著に上昇していると考えられるのはどれか。2つ選べ。
- 3-ヒドロキシ酪酸
- アセト酢酸
- γ-アミノ酪酸
- 水酸化物イオン
- ナトリウムイオン
コメント