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第106回薬剤師国家試験 問116(理論問題) ABO式血液型、Rh血液型

 輸血を必要としている患者(幼児)から採血し、単離した赤血球を用いて、図1(a)に示すような血液型判定の検査(ⅰ)、(ⅱ)を行ったところ、結果は図1(b)のようになった。さらに、確認試験として、患者の血清を用いて図2(a)に示す検査(ⅲ)を行った。患者は低ガンマグロブリン症などの疾患は有していない。患者の母親の血液型はA型Rh(-)型である。検査(ⅲ)の結果と、患者の父親の血液型に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。なお、血液型の遺伝は、メンデルの遺伝の法則に従うものとする。

  1. 検査(ⅲ)の結果は、図2(b)の②となる。
  2. 検査(ⅲ)の結果は、図2(b)の③となる。
  3. 検査(ⅲ)の結果は、図2(b)の①又は④となる。
  4. 父親のABO血液型は、B型又はAB型である。
  5. 父親のABO血液型は、O型である。
  6. 父親のRh血液型は、Rh(-)型である。

解答・解説

解答
2、4

解説
◆検査(ⅰ)血液型判定(ABO型)の結果よりわかること
患者サンプルを抗A血清(A抗原に特異的に免疫反応を起こす抗体を含む血清)に入れた場合「凝集なし」また、患者サンプルを抗B血清(B抗原に特異的に免疫反応を起こす抗体を含む血清)に入れた場合「凝集あり」であることから、患者の赤血球表面にはB抗原はあるが、A抗原はない(ABO血液型:B型)と判断できる。

◆検査(ⅱ)血液型判定(Rh型)の結果よりわかること
 患者サンプルを抗D血清(Rh型の判定に用いられる血清)に入れた場合「凝集あり」また、患者サンプルをRhコントロール(偽陽性反応に起因する誤判定を確認するために用いられる試薬)に入れた場合「凝集なし」であることから、患者のRh血液型は、Rh(+)型であると判断できる。

◉検査(ⅲ)の結果
 患者はB型であることから、A型赤血球を入れると異なる血液型が混じるため凝集するが、B型赤血球を入れても同じ血液型であるため凝集しない。

◉父親の血液型
 患者の血液型はB型Rh(+)型であり、母親の血液型がA型Rh(-)型であることから、父親のABO血液型はB型又はAB型であり、Rh血液型はRh(+)であると推察される。

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