製造物責任と医薬品に関する記述のうち、 正しいのはどれか。2つ選べ。
- 薬局は、医薬品に関して製造物責任を負う製造業者等に該当する場合がある。
- 一般用医薬品は、製造物責任の対象とならない。
- 製造物責任の損害賠償が認められるためには、欠陥によって入院を必要とするような医療の提供があったことが必要である。
- 医薬品は、副作用があっても直ちに製造物としての欠陥とはならない。
- 製造物責任の損害賠償が認められるためには、被害者が医薬品製造に関する製造業者等の過失を立証することが必要である。
製造物責任と医薬品に関する記述のうち、 正しいのはどれか。2つ選べ。
解答
1、4
解説
1 正
薬局製造販売医薬品を製造する薬局は、医薬品に関して製造物責任を負う製造業者等に該当する。なお、調剤行為は、不特定多数を対象としたものではなく、特定個人を対象としたものであり、製造行為とは解釈されないため、調剤を行う薬局は、製造物責任を負う製造業者に該当しない。
2 誤
製造物責任法において製造物とは、製造又は加工された動産と定義される。医薬品も製造物に該当するため、一般用医薬品は製造物責任の対象となる。
3 誤
製造物責任法において、賠償責任が認められるのは、人の生命、身体に被害をもたらした場合や欠陥のある製造物以外の財産に損害が生じた場合であり、その被害の程度は要件とされていない。
4 正
製造物責任法において、「欠陥」とは、当該製造物の特性、その通常予見される使用形態、その製造業者等が当該製造物を引き渡した時期その他の当該製造物に係る事情を考慮して、当該製造物が通常有するべき安全性を欠いていることをいう。医薬品を服用すると、副作用が現れることがあるため、医薬品の服用により副作用が発現することは通常有するべき安全性を欠いているとすぐに判断することはできない。そのため、医薬品は、副作用があっても直ちに製造物としての欠陥とはならない。
5 誤
刑法や民法において賠償責任を問う場合には、加害者の「故意」または「過失」を証明しなければならないが、製造物責任法では、「故意」または「過失」の有無に関わらず、製造物の「欠陥を立証する」ことで被害の賠償を問うことが可能である。
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