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第102回薬剤師国家試験 問324〜325(実践問題) ダビガトランによる副作用の回避/医薬品安全性情報報告書

 70歳男性。高血圧症で処方1を服用していた。ある日胸部不快感を自覚し、かかりつけのクリニックを受診した。心房細動の疑いがあることから、精査目的で市内の総合病院を紹介され受診したところ、心房細動、心不全と診断され、処方2が追加となった。

問324 (実務)
 処方2に含まれるダビガトランエテキシラートによる重篤な副作用である出血の回避や投与量の調節のために考慮すべき検査項目はどれか。1つ選べ。

  1. 血清クレアチニン値
  2. AST値
  3. 白血球数
  4. PT−INR値
  5. 脳性Na利尿ペプチド値

解答・解説

解答
1

解説
ダビガトランエテキシラートは腎消失型薬物であり、腎障害を有する患者では血中濃度が上昇し、重篤な出血が出現する可能性がある。そのため、本剤を使用する際には、重篤な副作用である出血の回避や投与量の調節のために血清クレアチニン値などをもとに腎機能を確認する必要がある。

問325 (法規・制度・倫理)
 重篤な副作用を回避するための確認は行われていたものの、後日、この男性に重大な副作用が発現した。

薬剤師は主治医と相談のうえ、この男性の副作用について、医薬品・医療機器等安全性情報報告制度に基づき報告することを決めた。下図は、記入途中の医薬品安全性情報報告書の一部である。この制度の説明として、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. この男性の場合、厚生労働大臣への報告期限は、発生を知った日から30日以内である。
  2. 添付文書などから予測できない未知の症例についても報告する。
  3. 患者情報のうち、アに記載された内容は、公開されることはない。
  4. イの項目はすべて記入しなければならない。
  5. クリニックで処方された(処方1)の薬剤も、ウに記載する。 

解答・解説

解答
2、5

解説
1 誤
医薬品・医療機器等安全性情報報告制度には、報告期限は定められていない。なお、報告期限が発生を知った日から15日又は30日と定められているのは、企業報告制度である。

2 正
医薬品・医療機器等安全性情報報告制度では、保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止する観点から必要があると認めた場合、その旨を厚生労働大臣(情報の整理をPMDAに行わせることとした場合はPMDA)に報告するとされている。よって、添付文書などから予測できない未知の症例についても保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止する観点から必要があると認めた場合にはその旨を報告する必要がある。

3 誤
アに記載された内容のうち、患者のプライバシーに関わる情報以外については、公表されることがある。

4 誤
イの項目については、副作用の発生状況を把握するためにできる限り記載することが望ましい。

5 正
重大な副作用の発生にクリニックで処方されていた(処方1)が関与している可能性があるため、クリニックで処方された(処方1)の薬剤についてもウに記載する必要がある。

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