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第102回薬剤師国家試験 問322〜323

68歳男性。前立腺がん患者を対象とした治験に参加している。当該患者から担当のCRC(治験コーディネータ)である薬剤師に電話があり「今朝から、お腹のあたりに真っ赤な湿疹ができている。」と連絡があった。湿疹は、この治験薬の代表的な副作用の1つで、参加同意を得る際にも説明していた。

問322 (法規・制度・倫理)
CRCは、医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令(GCP省令)に治験協力者として規定されている。治験協力者について正しいのはどれか。1つ選べ。

  1. 治験実施計画書に氏名を記載しなければならない。
  2. 治験協力者となっている治験に係る治験審査委員会における審議及び採決に参加することができる。
  3. 治験協力者に対しては、治験責任医師によって治験内容が十分に説明される。
  4. いわゆる医師主導治験の場合は、治験協力者を置くことができない。
  5. 説明文書を読むことができない被験者となるべき者に対する説明の立会人になることができる。

解答・解説

解答
3

解説
1 誤
治験実施計画書には、治験の依頼をしようとする者の氏名、治験責任医師となるべき者の氏名を記載する必要はあるが、治験コーディネーター(CRC)の氏名を記載する必要はない。

2 誤
治験審査委員会(IRB)における審議および採決には、実施医療機関の長、治験責任医師、治験分担医師および治験協力者は参加することはできない。

3 正
治験責任医師は、治験協力者に対して治験内容を十分に説明しなければならない。

4 誤
医師主導治験とは、医師自ら治験計画書を作成し実施する治験のことであり、医師主導型治験の場合においても通常の治験と同様に治験協力者を置くことが可能である。

5 誤
治験を行うにあたり、説明文書を読むことができない被験者となるべき者に対する説明及び同意については、立会人を立ち会わせた上で行わなければならない。この場合、治験協力者は立会人になることはできない。

問323 (実務)
CRCの対応として誤っているのはどれか。2つ選べ。

  1. 男性から聴取した情報を記録する。
  2. 男性が受診すべきかどうか治験責任医師に相談する。
  3. 重篤な有害事象と判断した場合、直ちに実施医療機関の長に報告する。
  4. 有害事象及びその治療が、逸脱や中止基準に該当するかどうか治験責任医師と確認する。
  5. 治験薬による有害事象と判断された場合、副作用被害救済制度の利用について、男性に情報提供する。

解答・解説

解答
3、5

解説
1 正しい
CRCは、治験に関する情報を記録し、保管する必要がある。

2 正しい
治験実施にあたり有害事象を認めた場合には、CRCは被験者が受診すべきかどうかを治験責任医師に相談する。

3 誤っている
発生した副作用が重篤な有害事象であると判断された場合には、治験責任医師が直ちに実施医療機関の長に報告する必要がある。

4 正しい
CRCは有害事象及びその治療が、逸脱や中止基準に該当するかどうか治験責任医師と確認する。

5 誤っている
治験薬による副作用については、副作用被害救済制度の救済対象ではない。なお、治験薬による有害事象については、あらかじめ治験に係る被験者に生じた健康被害の補償のために締結しておいた保険契約により補償することとなる。

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