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持続性GLP-1受容体作動薬 デュラグルチド(遺伝子組換え) トルリシティ

◉名称、化学構造

一般名:デュラグルチド(遺伝子組換え)
商品名:トルリシティ

【本質】
遺伝子組換え融合糖タンパク質であり、1~31番目は改変型ヒトグルカゴン様ペプチド1、また48~275番目は改変型ヒトIgG4のFcドメインからなり、2、16、30、57、63及び64番目のアミノ酸残基がそれぞれGly、Glu、Gly、Pro、Ala及びAlaに置換されている。デュラグルチドは、チャイニーズハムスター卵巣細胞から産生される。デュラグルチドは、275個のアミノ酸残基からなるサブユニット2個から構成される糖タンパク質(分子量:約63,000)である。

◉分類

持続性GLP-1受容体作動薬

◉効能・効果

2型糖尿病

◉薬理作用

本剤はアミノ酸を置換したヒトGLP-1アナログと改変ヒトIgG4 Fc領域との融合タンパク質であり、アミノ酸置換によりDPP-4による分解に抵抗性を示し、分子量の増加により吸収速度及び腎クリアランスが低下することで作用が持続する。本剤は膵β細胞のGLP-1受容体に結合し、細胞内cAMP濃度を上昇させ、グルコース濃度依存的にインスリン分泌を亢進する。

◉使用する際の注意

  • 本剤はインスリンの代替薬ではない。本剤の投与に際しては、患者のインスリン依存状態を確認し、投与の可否を判断する。
  • 投与する場合には、血糖、尿糖を定期的に検査し、薬剤の効果を確かめ、3~4ヵ月間投与して効果が不十分な場合には、より適切と考えられる治療への変更を考慮すること。
  • 本剤は持続性製剤であり、本剤中止後も効果が持続する可能性があるため、血糖値の変動や副作用予防、副作用発現時の処置について十分留意する。
  • 本剤の使用にあたっては、患者に対し、低血糖症状及びその対処方法について十分説明する。
  • 低血糖があらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与するときは注意する。
  • 急性膵炎が発現することがあるので、急性膵炎の初期症状(嘔吐を伴う持続的な激しい腹痛等)があらわれた場合は、使用を中止し、速やかに医師の診断を受けるよう指導する。
  • 胃腸障害が発現した場合、急性膵炎の可能性を考慮し、必要に応じて画像検査等による原因精査を考慮するなど、慎重に対応する。
  • 胆石症、胆嚢炎、胆管炎又は胆汁うっ滞性黄疸が発現するおそれがあるので、腹痛等の腹部症状がみられた場合には、必要に応じて画像検査等による原因精査を考慮するなど、適切に対応する。
  • 本剤投与中は、甲状腺関連の症候の有無を確認し、異常が認められた場合には、専門医を受診するよう指導する。
  • 本剤とDPP-4阻害剤はいずれもGLP-1受容体を介した血糖降下作用を有している。両剤を併用した際の臨床試験成績はなく、有効性及び安全性は確認されていない。

◉相互作用

薬物動態学的相互作用の要因

  • 本剤の胃内容物排出遅延作用により、ワルファリンのtmaxが遅延する。

薬力学的相互作用の要因

  • 糖尿病治療薬(ビグアナイド系薬、SU剤、速攻型インスリン分泌促進剤、α-グルコシダーゼ阻害剤、DPP-4阻害剤、インスリン製剤、SGLT2阻害剤)、β受容体遮断剤との併用により血糖降下作用が増強する。
  • アドレナリン、副腎皮質ステロイド、甲状腺ホルモンとの併用により、本剤の血糖降下作用が減弱する。

◉副作用

◉主な副作用

便秘、吐き気、下痢、上腹部痛など

◉重大な副作用[初期症状]

  • 低血糖
    [高度な空腹感、冷汗、手足の震え]
  • アナフィラキシー、血管浮腫
    [じんましん、口唇周囲の腫れ、のどの腫れ、呼吸困難]
  • 急性膵炎
    [激しい上腹部の痛み、または腰背部の痛み、発熱、吐き気、嘔吐、食欲の低下]
  • 腸閉塞
    [腸管内容の通過障害(排便の停止、腹痛、腹部膨満感、食欲不振、悪心、嘔吐)]
  • 重度の下痢、嘔吐
    [トイレから離れられないほど頻回に下痢をする、便が泥状か、完全に水のようになっている、吐く]
  • 胆のう炎、胆管炎、胆汁うっ滞性黄疸
    [上腹部、特に右季肋部の痛み、発熱、皮膚や結膜などの黄染(黄色くなる)]
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