◉名称、化学構造
一般名:デスモプレシン酢酸塩水和物
商品名:ミニリンメルト
◉分類
脳下垂体ホルモン剤
◉効能・効果
- 中枢性尿崩症
-
尿浸透圧あるいは尿比重の低下に伴う夜尿症
◉薬理作用
選択的にバソプレシンV2受容体を刺激し、抗利尿作用を示す。
◉使用する際の注意
【夜尿症】
- 本剤投与中に水中毒症状を来すことがあるので、次の点に注意する。
過度の飲水を避け、点滴・輸液による水分摂取にも注意する。
本剤による治療を1週間以上続ける場合には、血漿浸透圧及び血清ナトリウム値の検査を実施する。
本剤投与中は定期的(1ヵ月毎)に患者の状態を観察し、水中毒を示唆する症状(倦怠感、頭痛、悪心・嘔吐等)の発現に十分注意する。 - 水中毒の発現を予防するために患者及びその家族に次の点について十分説明・指導する。
投与の2~3時間前(夕食後)より翌朝迄の飲水は極力避ける。過度に飲水してしまった場合は本剤の投与を行わない。水分や電解質のバランスが崩れ、水分補給が必要となる急性疾患(全身性感染症、発熱、胃腸炎等)を合併している場合は本剤の投与を中止する。
就眠前の排尿を徹底し、指示された投与量を厳守する。
水中毒を示唆する症状(倦怠感、頭痛、悪心・嘔吐等)があらわれた場合には直ちに投与を中断し、速やかに医師に連絡する。
他院や他科を受診する際には、本剤投与中である旨を担当医師に報告する。
【中枢性尿崩症】
- 口渇中枢異常を伴う症候性尿崩症の患者では水出納のバランスがくずれやすいので、本剤投与中は血清ナトリウム値に十分注意する。
- 本剤投与中に水中毒症状を来すことがあるので、次の点に注意する。
過度の飲水を避け、点滴・輸液による水分摂取にも注意する。
適正な飲水量及び適正な用法の習得並びに維持量を決定するまで、入院するなど必要な処置をとることが望ましい。
本剤投与中は患者の状態を観察し、水中毒を示唆する症状(倦怠感、頭痛、悪心・嘔吐等)の発現に十分注意する。 - 水中毒の発現を予防するために患者及びその家族に次の点について十分説明・指導する。
指示された飲水量、用法・用量を厳守する。
過度に飲水してしまった場合は本剤の投与を行わない。発熱、喘息等の飲水が増加する疾患を合併している場合は特に注意する。
水中毒を示唆する症状(倦怠感、頭痛、悪心・嘔吐等)があらわれた場合には直ちに投与を中断し、速やかに医師に連絡する。
他院や他科を受診する際には、本剤投与中である旨を担当医師に報告する。 - 尿量が自然に減少する患者がいるので観察を十分にし、漫然と投与しない。
◉相互作用
◉薬物動態学的相互作用の要因
- ロペラミドとの併用により本剤の血中濃度が上昇する。
◉薬力学的相互作用の要因
- 三環系抗うつ剤、選択的セロトニン再取り込み阻害薬、その他の抗利尿ホルモン不適合分泌症候群を惹起する薬剤(クロルプロマジン、カルバマゼピン等)との併用により、低ナトリウム血症性の痙攣発作を起こす。
- 非ステロイド性抗炎症薬との併用により、水中毒が発現しやすい。
- 低ナトリウム血症を誘発する薬(トリクロルメチアジド、ヒドロクロロチアジド、インダパミド、フロセミド等)と併用すると、低ナトリウム血症が発現する。
◉副作用
◉主な副作用
頭痛、浮動性めまい、眠い、便秘、口内乾燥、下痢、手足や顔のむくみ、血圧上昇など
◉重大な副作用[初期症状]
低ナトリウム血症
[倦怠感(体がだるい、疲れがとれない)、頭痛、吐き気、嘔吐など]うっ血性心不全
[足がむくむ、急に体重が増えた、疲れやすい、動くと息が苦しいなど]
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