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第98回薬剤師国家試験 問200〜201(実践問題) 炭酸リチウム

50歳男性。躁病のため3年前より処方1の薬剤を服用しており、状態は良好であった。最近、高血圧と診断され、処方2の薬剤を併用しながら、低塩食を続けていたが、食欲不振、振戦、傾眠が増強してきたので、近医で診察を受けた。

問200 (実務)
食欲不振、振戦、傾眠が増強した理由として適切なのはどれか。2つ選べ。

  1. 低塩食により血清中リチウムイオン濃度が上昇した。
  2. トリクロルメチアジド錠服用により血清中リチウムイオン濃度が上昇した。
  3. アムロジピンベシル酸塩錠服用により血清中リチウムイオン濃度が上昇した。
  4. 低塩食により血清中リチウムイオン濃度が低下した。
  5. トリクロルメチアジド錠服用により血清中リチウムイオン濃度が低下した。
  6. アムロジピンベシル酸塩錠服用により血清中リチウムイオン濃度が低下した。

解答・解説

解答
1、2

解説
食欲不振、振戦、傾眠が増強した理由は、体内にリチウムが蓄積することによるリチウム中毒によると考えられる。低塩食により食塩(NaCl)の摂取が減ると体内のナトリウムイオン(Na)濃度が低下し、それにより一価のカチオンであるリチウムイオン(Li)の再吸収が促進される。また、ナトリウムイオン(Na)の排泄を促進するチアジド系利尿薬を服用すると、体内のナトリウムイオン(Na)濃度が低下し、それにより一価のカチオンであるリチウムイオン(Li)の再吸収が促進される。

問201 (物理・化学・生物)
治療薬物モニタリング(TDM)に指定されている血清中リチウムイオン濃度の測定には原子吸光光度法が用いられる。次の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 原子吸光光度法は、光が原子蒸気層を通過するとき、励起状態の原子が特有波長の光を吸収する現象を利用する。
  2. 原子吸光光度法の光源部には主にキセノンランプが用いられる。
  3. 原子吸光光度法の試料原子化部にはフレーム方式、電気加熱方式、冷蒸気方式がある。
  4. 定量に際しては、干渉やバックグラウンドを考慮する必要がある。
  5. リチウム原子は、黄色光を選択的に吸収する。

 

解答・解説

解答
3、4

解説
1 誤

原子吸光光度法では、光が原子蒸気層を通過するとき、基底状態の原子が特有波長の光を吸収する現象を利用する。

2 誤
原子吸光光度法の光源部には中空陰極ランプや放電ランプが用いられる。なお、キセノンランプは、蛍光分光光度計に用いられる光源である。

3 正
一般的な金属元素の原子化にはフレーム方式や電気加熱方式が利用され、水銀の原子化には冷蒸気方式が用いられる。

4 正
定量に際しては、試料中に共存する目的元素以外の成分によって起こる(化学)干渉やバックグラウンドを考慮する必要がある。

5 誤
リチウム原子は、赤色光(波長:670 nm)を選択的に吸収する。

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