55歳男性。身長175cm体重81kg。3年前に健康診断で高血糖を指摘され、近医を受診したところ、2型糖尿病と診断された。経口血糖降下薬による治療を受けていたが、血糖コントロールが不良のため、6ヶ月前よりインスリン注射開始となった。今回、かかりつけ薬剤師が薬剤を交付する際にフィジカルアセスメントを行ったところ、注射部位に軽い硬結が認められた。
問286(実務)
この患者に対するインスリン注射に関する指導の内容として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- インスリンによる治療中は、食事療法を中止する。
- 使用開始後の超速効型インスリンペン型製剤は、室温で保管する。
- 現在の状態では、持効型溶解インスリン注射をやめても良い。
- 硬結防止のために、注射部位は前回の注射部位から少なくとも2〜3cm離す。
- 低血糖症状を感じたらすぐに横になって休む。
解答・解説
解答
2、4
解説
1 誤
糖尿病治療における基本は食事療法、運動療法であり、インスリンによる治療中も、食事療法、運動療法を行う。
2 正
超速攻型インスリンペン型製剤は、使用後、室温で保管する。
3 誤
本患者は、HbA1c 6.6%であり、血糖コントロールが不良な状態(血糖正常化を目指す際の目標値HbA1c 6.0%未満)にあるため、現在の状況では、持効型溶解インスリン注射を継続して使用する必要がある。
4 正
インスリンを使用する際には、硬結防止のために、前回の注射箇所より少なくとも2〜3cm離して注射する必要がある。
5 誤
低血糖症状(脱力感、倦怠感、高度の空腹感、冷や汗、顔面蒼白、動悸、振戦、頭痛、めまいなど)が現れた場合、無処置の状態が続くと低血糖昏睡等を起こし、重篤な転帰をたどることがあるため、糖質を含む食品を摂取する等、適切な処置を行う必要がある。
問287(病態・薬物治療)
今回の身体所見と検査結果を基に、糖尿病合併症や併存症の進展の防止のために、追加が望ましい薬物はどれか。2つ選べ。
- ヒドロクロロチアジド
- アトルバスタチン
- ペマフィブラート
- トピロキソスタット
- グリメピリド
解答・解説
解答
3、4
解説
本患者の検査所見よりTGが190mg/dL(診断基準:150mg/dL以上)、尿酸値が7.4mg/dL(診断基準:7.0mg/dL)と高値を示しているため、TGを改善する目的でペマフィブラート、尿酸値を改善する目的でトピロキソスタットを追加することが望ましい。
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