68歳女性。切除不能の再発直腸がんに対して、カペシタビンとオキサリプラチン併用化学療法を開始することになった。外来化学療法室の薬剤師は、この患者にかかりつけ医から以下の薬剤が処方されていることを、お薬手帳より確認した。なお、以下の薬剤は全て化学療法開始後も継続することとする。
問208(実務)
今回のがん化学療法の開始に伴い、薬物相互作用による重篤な副作用を回避するため、薬剤師が定期的にモニタリングすべき検査項目として、最も重要なのはどれか。1つ選べ。
- 血清鉄
- 尿酸
- 血清カルシウム
- 血清リン
- PT-INR
解答・解説
解答
5
解説
本患者は、カペシタビンとオキサリプラチン併用化学療法を開始することとなり、処方薬も継続することなったことから、相互作用の有無を確認する必要がある。カペシタビン添付文書の警告の欄に「本剤とワルファリンカリウムとの併用により、血液凝固能検査値異常、出血が発現し死亡に至った例も報告されている。(一部省略) 併用する場合には血液凝固能検査を定期的に行い、必要に応じて適切な処置を行うこと」と記載されている。このことから、カペシタビンとワルファリンを併用するさいには、ワルファリンの効果を判定するPT-INRをモニタリングする必要がある。
問209(物理・化学・生物)
かかりつけ医から処方されている医薬品の構造を示す。その中でモニタリングすべき検査項目に関与する医薬品はどれか。1つ選べ。なお、本品の性状として、日本薬局方には「本品は水に極めて溶けやすく、エタノール(95)に溶けやすい。」「本品は光によって淡黄色となる。」と記載されている。
解答・解説
解答
1
解説
モニタリングすべき検査項目に関する医薬品はワルファリンカリウムであり、構造中にクマリン骨格及びカリウムを含有する選択肢1である。なお、他の選択肢の構造は、選択肢2(カルベジロール)、選択肢3(ロサルタンカリウム)、選択肢4(スピロノラクトン)、選択肢5(ヒドロクロロチアジド)、選択肢6(メチルジゴキシン)である。
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