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第108回薬剤師国家試験 問200〜201 投与速度/分子間相互作用

80歳女性。身長160cm、体重50kg。胸の痛み及び息苦しさの訴えにより救急搬送された。急性心不全の診断にてニトログリセリン注射液を投与することとなった。診療録には「ニトログリセリン注射液は(ア)0.05μg/kg/分より開始して様子をみていく」と記載されている。なお、添付文書には、「0.05〜0.1μg/kg/分の速度より開始して血圧等の循環動態をモニターしながら適宜増量し、最適点滴速度で維持する」とある。また、この注射液はポリブタジエン製輸液チューブ(PVC(注)フリー)の点滴ルートでシリンジポンプにより投与するものとする。(注:ポリ塩化ビニル)

問200(実務) 
下線部(ア)をシリンジポンプの速度単位(mL/h)で表した場合、正しい値はどれか。1つ選べ。 

  1. 0.3mL/h
  2. 1.5mL/h
  3. 3.0mL/h
  4. 15mL/h
  5. 30mL/h
解答・解説

解答
1

解説
下線部(ア)に0.05μg/kg/分と記載されていることから、体重50kgの患者には1分あたり2.5μg /分(0.05μg/kg/分×50kg2.5μg /分)、1時間あたり0.15mg/h2.5μg /分×60分=150μg /h0.15mg/h)のニトログリセリンを投与する必要がある。また、ニトログリセリン注射液の濃度は25mg /50mLであることから0.5mg/mLとなる。
 よって、下線部(ア)をシリンジポンプの速度単位(mL/h)は下記のように求めることができる。
シリンジポンプの速度単位(mL/h)=0.15mg/h÷0.5mg/mL0.3mL/h

問201(物理・化学・生物)
 ニトログリセリン注射液投与時にPVC製のチューブを使うと、ニトログリセリンがチューブに吸着し、静脈内への到達量が著しく減少することが知られている。この吸着に関連すると考えられる分子間相互作用はどれか。1つ選べ。

  1. 水素結合
  2. 電荷移動相互作用
  3. 静電的相互作用
  4. 分散力
  5. イオン–双極子相互作用
解答・解説

解答

解説
ニトログリセリンがチューブに吸着する際に働く相互作用として、瞬間双極子と誘起双極子の間の相互作用である分散力が関与している。

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