薬物のリンパ系への移行に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 消化管からリンパ系を介して吸収された薬物は、肝初回通過効果を受けずに全身循環系に到達する。
- リンパ系に移行した薬物は、血液循環系へ移行した薬物に比べてゆっくりと全身に分布する。
- 毛細リンパ管内皮細胞は密着結合を形成しているため、分子量の小さい薬物の方が透過しやすい。
- 皮下投与された抗体医薬品は、リンパ系へ移行しにくい。
- リンパ系に移行した薬物は、胸管リンパを経て肺動脈に入り、全身循環血を介して体内に分布する。
薬物のリンパ系への移行に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
解答
1、2
解説
1 正
消化管からリンパ系を介して吸収された薬物は、胸管を介して静脈へ移行するため、肝初回通過効果を受けない。
2 正
リンパ液流量は、血液循環量に比べ、著しく小さいため、リンパ系に移行した薬物は、血液循環系へ移行した薬物に比べてゆっくりと全身に分布する。
3 誤
毛細リンパ管内皮細胞は、密着結合しておらず、毛細リンパ管には間隙が存在しているため、分子量の小さい薬物に加え、分子量の大きい薬物も透過することが可能である。
4 誤
皮下投与された高分子医薬品(抗体医薬品など)は、細胞間隙の狭い毛細血管に移行せず、細胞間隙の広いリンパ管へ移行する。
5 誤
リンパ系に移行した薬物は、胸管リンパ、右リンパ本幹を経て静脈に入り、全身循環血を介して体内に分布する。
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