45歳女性。人間ドッグで膵がんの疑いを指摘され、大学病院を受診し、検査の結果、膵がん(遠隔転移あり)と診断された。1次化学療法としてFOLFIRINOX療法による治療を開始するにあたり、遺伝子多型を検査したところ、UGT1A1*6ヘテロ接合体であった。初回投与(1コース目)は以下の投与量で実施した。その後、下痢(1日2回程度)が見られたが、止瀉薬を内服することで対応可能であった。しかし、血液検査の結果、2コース目の化学療法は1週間延期された。
(入院時の検査値等)
脳症II度、腹水 2L、総ビリルビン 2.5mg/dL、血清アルブミン 3.0g/dL、PT–INR2.0、AST 85IU/L、ALT 80IU/L、γ–GTP 21IU/L、アンモニア420ng/dL、血清クレアチニン値0.7mg/dL、eGFR 71.0mL/min/1.73m2、Na 142mEq/L、K 4.8mEq/L
(1コース目投与量)
FOLFIRINOX
オキサリプラチン点滴静注(85mg/m2)
イリノテカン塩酸塩水和物点滴静注(180mg/m2)
フルオロウラシル急速静注(400mg/m2)
フルオロウラシル持続静注(2,400mg/m2)
レボホリナートカルシウム水和物点滴静注(200mg/m2)
(2コース目投与予定日の血液検査値)
総ビリルビン1.1mg/dL、AST 24IU/L、ALT 22IU/L、BUN 22.9mg/dL、
血清クレアチニン値0.9mg/dL、赤血球数270×104/µL、白血球数1,690/µL、好中球数820/µL、 Hb12.2g/dL、血小板数21.4×104/µL
(2コース目投与予定日から1週間延期した日の血液検査値)
総ビリルビン0.8mg/dL、AST 27IU/L、ALT 23IU/L、BUN 18.5mg/dL、
血清クレアチニン値 0.5mg/dL、赤血球数355×104/µL、白血球数4,230/µL、好中球数1,910/µL、
Hb13.6g/dL、血小板数28.6×104/µL
2コース目投与予定日から1週間延期した日の血液検査結果をもとに、カンファレンスを実施した。薬剤師が医師に提案する内容として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
- イリノテカン塩酸塩水和物を減量して投与する。
- レボホリナートカルシウム水和物を減量して投与する。
- 化学療法当日に人血小板濃厚液を投与し、イリノテカン塩酸塩水和物は初回と同量で投与する。
- 化学療法当日にG–CSF製剤を投与し、イリノテカン塩酸塩水和物は初回と同量で投与する。
- 今回も化学療法は延期する。
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