48歳男性。気管支ぜん息の既往があり、処方1及び処方2の薬剤を継続して使用している。この患者はテオフィリンの治療薬物モニタリング(TDM)を実施しており、定常状態の血中濃度は15µg/mLであった。しかしここ数日、腹痛や吐き気が強く、今日は仕事も休んでいるとかかりつけ薬剤師に相談があった。聴き取りにより2日前からピロリ菌の除菌療法(処方3)をしていることが判明した。速やかにかかりつけ医を受診するように指示し、当該医師にも連絡を取った。その後、この患者について、受診時のテオフィリンの血中濃度が40µg/mLであることを医師に確認した。なお、アドヒアランスは良好であることを確認している。
問268(実務)
薬剤師がこの患者のテオフィリン中毒の要因と考えた内容として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
- ピロリ菌の除菌療法による胃内環境の変化
- ボノプラザンによる胃内pHの上昇
- 腎薬物トランスポーターを介したアモキシシリンとの競合阻害
- クラリスロマイシンによる肝薬物代謝酵素阻害
- ぜん息症状によるテオフィリン感受性の増大

問269(薬剤)
この患者が処方2の薬剤の服用を中止し、テオフィリンの血中濃度が15µg/mLに低下するまでに要する時間として最も近いのはどれか。1つ選べ。
ただし、テオフィリンの血中動態は線形1–コンパートメントモデルに従うものとし、血中消失半減期は6.9時間とする。なお、ln2=0.69、ln3=1.10とする。
- 8時間
- 10時間
- 12時間
- 14時間
- 16時間
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