39歳女性。今回初めて妊娠した。8週目の妊婦健診でB型肝炎の検査を実施したところ、HBs抗原が陽性であった。
問232(実務)
この妊婦への対応として、適切なのはどれか。1つ選べ。
- HBe抗原を検査する。
- B型肝炎ワクチンを接種する。
- 速やかに、抗HBs人免疫グロブリンを投与する。
- エンテカビルを投与する。
- 出産まで、特に対応の必要はない。
解答・解説
解答
1
解説
1 正
1985年から開始されたB型肝炎母子感染防止対策では、妊婦全員に公費でHBs抗原検査を行い、陽性者を対象にHbe抗原検査を行う。妊婦がB型肝炎ウイルスキャリアの場合、母子感染により児がキャリア化することがあるため、HBs抗原陽性者が分娩した児に出産直後に抗HB人免疫グロブリン、B型肝炎ワクチンを同時に接種する。
2 誤
この妊婦はすでにB型肝炎に罹患しているため、B型肝炎ワクチンを接種することは不適切である。
3 誤
抗HBs人免疫グロブリンは、HBs抗原陽性血液による汚染事故、B型肝炎発症予防に用いられるが、HBs抗原陽性者には用いられない。
4 誤
エンテカビルは、B型肝炎ウイルスの増殖を伴い肝機能の異常が確認されたB型慢性肝疾患におけるB型肝炎ウイルスの増殖に用いられるが、妊婦に対する安全性が確認されていない。
5 誤
解説1参照
問233(衛生)
この妊婦から出生した児に対して行うB型肝炎ウイルス感染に関する予防処置を時系列で示した(A〜C)。正しい組合せはどれか。1つ選べ。


解答・解説
解答
4
解説
B型肝炎母子感染防止対策として、B型肝炎ウイルス(HBV)に感染している母親から出生した児には、生後12時間以内を目安に抗HBs人免疫グロブリンとB型肝炎ウイルスワクチンを同時に投与し、さらに生後1ヶ月と6ヶ月後にB型肝炎ワクチンを追加接種する。その後、9〜12ヶ月の間にHBs抗原・抗体検査が行われる。
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