線形薬物動態を示す薬物A10mgを静脈内投与あるいは経口投与した後の血中濃度時間曲線下面積(AUC)は、それぞれ500ng・h/mL、150ng・h/mLであった。経口投与後の薬物Aの消化管上皮細胞への移行率と肝抽出率を算出したところ、それぞれ90%と45%であった。また、胆汁中及び尿中に未変化体薬物は検出されなかった。薬物Aが消化管上皮細胞での代謝を免れる率として、最も近いのはどれか。1つ選べ。
- 10%
- 20%
- 30%
- 60%
- 75%
線形薬物動態を示す薬物A10mgを静脈内投与あるいは経口投与した後の血中濃度時間曲線下面積(AUC)は、それぞれ500ng・h/mL、150ng・h/mLであった。経口投与後の薬物Aの消化管上皮細胞への移行率と肝抽出率を算出したところ、それぞれ90%と45%であった。また、胆汁中及び尿中に未変化体薬物は検出されなかった。薬物Aが消化管上皮細胞での代謝を免れる率として、最も近いのはどれか。1つ選べ。
解答 解説 F=Fa×Fg×Fh:①式 ◉Fを求める 静脈内投与、経口投与ともに投与量10mgであるため、Div、Dpoはともに10mgとなる。また、それぞれAUCは、500ng・h/mL、150ng・h/mLであるため、AUCivは500ng・h/mL、AUCpoは150ng・h/mLとなり、Fを下記のように求めることができる。 ◉Fhを求める ◉Fgを求める解答・解説
4
バイオアベイラビリティFは、消化管吸収率Fa、消化管上皮細胞で代謝を免れた率Fg、肝臓で初回通過効果を免れた率Fhにより①式で表される。
バイオアベイラビリティFは、②式より求めることができる。
肝初回通過効果を免れた率Fhは、③式で求めることができる。
Fh=1-肝抽出率:③式
肝抽出率45%であるため、Fhは0.55となる。
①式にF=0.3、消化管上皮細胞への移行率Fa=0.9、Fh=0.55を代入すると、Fg=0.6となる。
F=Fa×Fg×Fh
0.3=0.9×Fg×0.55
Fg≒0.6
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