第105回薬剤師国家試験　問184

解答
2、4

解説
嘔吐中枢（VC）と化学受容器引金帯（CTZ）が様々な原因により刺激されると、迷走神経、横隔神経などを介して胃、横隔膜、腹筋に情報が伝達され、嘔吐が引き起こされる。嘔吐はVCへの刺激伝達の経路により中枢性嘔吐と末梢性嘔吐に分類される。
＜中枢性嘔吐＞
・うつ病、うつ状態、悪臭などが原因となり、大脳皮質が興奮し、VCが刺激されることで誘発される嘔吐
・脳圧亢進（脳腫瘍、脳出血、クモ膜下出血、脳炎など）、脳血管障害などが原因となり、VCが刺激されることで誘発される嘔吐
・薬物、中毒、代謝異常（妊娠、糖尿病性昏睡など）、感染症などが原因となり、CTZを介してVCが刺激されることで誘発される嘔吐
＜末梢性嘔吐＞
・胃腸炎、腸閉塞、腹膜炎、狭心症、心筋梗塞などが原因となり、臓器から迷走神経を介してVCが刺激され誘発する嘔吐
・メニエール病、動揺病などが原因となり、内耳から前庭神経を介してVCが刺激されることで誘発される嘔吐
１　誤
急性胃炎による悪心・嘔吐は、臓器から迷走神経を介してVCが刺激されて起こる。

２　正

３　誤
糖尿病性ケトアシドーシスによる悪心・嘔吐は、CTZを介してVCが刺激されて起こる。

４　正

５　誤
モルヒネによる悪心・嘔吐は、CTZを介してVCが刺激されて起こる。