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第100回薬剤師国家試験 問172 治療薬物モニタリング(TDM)

治療薬物モニタリング(TDM)に活用されている母集団薬物速度論に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 1点の血中濃度測定値から、その患者の薬物動態パラメータが推定できるのは、母集団パラメータを事前情報として用いるからである。
  2. 母集団薬物速度論は、個体内変動の要因解析に利用されることも多い。
  3. 母集団薬物速度論は普遍性が高いため、同種同効薬であれば、同じ母集団パラメータを適用できる。
  4. 母集団薬物速度論を用いても、薬物投与後の血液採取時間に関する情報がなければ、患者の薬物動態パラメータの推定は不可能である。
  5. 体重や腎機能は個々の患者によって異なるため、母集団薬物速度論モデルに組み込んでも薬物動態の予測精度は向上しない。
解答・解説

解答
1、4

解説
母集団薬物速度論(ポピュレーションファーマコキネティクス:PPK)では、薬物を投与した多くの患者から集約されたデータを解析することによって、母集団パラメータを得ることができる。
<母集団パラメータ>
・薬物動態パラメータの平均値
・患者間変動(個体間変動:年齢、性別、体重、腎機能など)
・患者内変動(個体内変動:測定誤差など)がある。
1 正
1点の血中濃度測定値と母集団パラメータを用いることにより、その患者の薬物動態パラメータを推測することができる。

2 誤
母集団薬物速度論は、主に個体間変動の要因解析に用いられる。

3 誤
薬物ごとで薬物動態パラメータは異なるため、同種同効薬の母集団薬物速度論を行う場合でも、同じ母集団パラメータを適用することはできない。

4 正
母集団薬物速度論を用いても、血中濃度測定値のみでは、患者の薬物動態パラメータを推定することはできない。なお、母集団薬物速度論を用いて、患者の薬物動態パラメータを推定するためには、血中濃度測定値に加え、血液採血時間、投与量、投与時間などの情報が必要である。

5 誤
母集団パラメータには、患者間変動に関するデータ(年齢、体重、性別、腎機能など)が得られているため、体重や腎機能を母集団薬物速度論モデルに組み込むことにより、薬物動態の予測精度は向上する。

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