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プロトンポンプ・インヒビター エソメプラゾールマグネシウム水和物(ネキシウム)

◉名称、化学構造

一般名:エソメプラゾールマグネシウム水和物
商品名:ネキシウム

◉分類

プロトンポンプ・インヒビター

◉効能・効果

  • 胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎、非びらん性胃食道逆流症、Zolinger-Elison症候群、非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制、低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制
  • 下記におけるヘリコバクター・ピロリの除菌の補助
    胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病、早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎

◉薬理作用

胃壁細胞の細胞膜上に存在する受容体へ各種酸分泌刺激物質が結合することにより、胃壁細胞内において一連の胃酸分泌反応がおきる。この反応の最終過程では、胃壁細胞内からH+を放出し、代わりにK+を取り込むプロトンポンプと呼ばれる酵素が働いている。エソメプラゾールは、このプロトンポンプの働きを阻害することによって、胃酸分泌を抑制する。

◉使用する際の注意

【効能共通】

  • 血液像、肝機能、腎機能等に注意する。

【逆流性食道炎】

  • 逆流性食道炎の維持療法については、再発・再燃を繰り返す患者に対し投与することとし、本来維持療法の必要のない患者に投与することのないよう留意する。また、維持療法中は定期的に内視鏡検査を実施するなど観察を十分に行うことが望ましい。なお、次の事項に十分注意する。
    再発の既往歴、症状の程度等を考慮して維持療法の用量を選択する。
    寛解状態が良好に保たれていると判断された場合は休薬又は減量を考慮する。
    定期的に血液像、肝機能、腎機能等の検査を行うことが望ましい。

【非びらん性胃食道逆流症】

  • 投与に際しては問診により胸やけ、胃液逆流感等の酸逆流症状が繰り返し見られること(1週間あたり2日以上)を確認の上投与する。なお、本剤の投与が胃癌、食道癌等の悪性腫瘍及び他の 消化器疾患による症状を隠蔽することがあるので、内視鏡検査等によりこれらの疾患でないことを確認する。

    ◉体内動態

    主として肝代謝酵素CYP2C19及び一部CYP3A4で代謝される。

    ◉相互作用

    薬物動態学的相互作用の要因

    • 本剤の胃酸分泌抑制作用により、アタザナビル硫酸塩、リルピビリン塩酸塩、イトラコナゾール、ゲフィチニブ、エルロチニブの吸収性が低下する。
    • 本剤の胃酸分泌抑制作用により、ジゴキシンの加水分解が抑制され、血中濃度が上昇する。
    • 本剤と同じ代謝酵素で代謝される薬物(ジルチアゼム、フェニトイン、シロスタゾール、ワルファリンなど)の作用が増強する。
    • タクロリムス水和物、メトトレキサートの血中濃度が上昇する。
    • ボリコナゾールのCYP阻害作用により、本剤の作用が増強する。
    • セイヨウオトギリソウのCYP誘導作用により、本剤の作用が減弱する。

    ◉副作用

    ◉主な副作用

    下痢、肝機能異常、びらん性胃炎、腹部膨満、胃ポリープ、貧血、腹痛、光線過敏性反応、発疹、軟便、味覚異常など

    ◉重大な副作用[初期症状]

    • ショック、アナフィラキシー
      [呼吸困難、蕁麻疹、顔・くちびる・舌などがはれる]
    • 汎血球減少症、無顆粒球症、血小板減少
      [体がだるい、発熱、鼻血・皮下出血]
    • 劇症肝炎、肝機能障害、黄疸、肝不全
      [吐き気や嘔吐、食欲不振、皮膚や白目が黄色くなる]
    • 中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群
      [発熱、全身倦怠感、皮膚・眼・口内に発疹ができる・赤くなる]
    • 間質性肺炎
      [発熱、咳、息切れ]
    • 間質性腎炎
      [発熱、発疹、関節の痛み]
    • 横紋筋融解症
      [手足の筋肉の痛み、こわばり、しびれ、赤褐色尿]
    • 低ナトリウム血症
      [吐き気や嘔吐、けいれん、頭痛、意識障害]
    • 錯乱状態
      [意識が乱れ正常な思考ができなくなる、考えがまとまらない、幻覚]
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