Gタンパク質共役型受容体(G Protein-Coupled Receptor, GPCR)とは、細胞膜に存在する受容体の一種であり、外部からのシグナルを受け取り、その情報を細胞内部へ伝える役割を果たす膜タンパク質である。GPCRは細胞シグナル伝達において極めて重要で、多くの生理機能に関与している。
特徴
- 構造
- GPCRは7回膜貫通型タンパク質であり、細胞膜を7回貫通する構造を有している。
- 外部のリガンド結合部位と内部のGタンパク質結合部位を有している。
- 機能
- リガンド(シグナル分子)が受容体に結合すると構造が変化し、細胞内のGタンパク質(グアニンヌクレオチド結合タンパク質)を活性化する。
- 活性化されたGタンパク質は、さらに下流のエフェクター(酵素やイオンチャネルなど)を活性化または抑制し、細胞内でシグナルを増幅する。
主要な分類
Gタンパク質の種類に応じて、GPCRによるシグナル伝達は以下のように分類される:
- Gs(刺激性Gタンパク質)
- アデニル酸シクラーゼ(AC)を活性化し、細胞内のcAMP濃度を上昇させる。
- Gi(抑制性Gタンパク質)
- アデニル酸シクラーゼを抑制し、cAMP濃度を低下させる。
- Gq
- ホスホリパーゼC(PLC)を活性化し、イノシトール三リン酸(IP3)とジアシルグリセロール(DAG)を生成する。これにより、細胞内カルシウム濃度が上昇する。
生理的意義
- 神経伝達: シナプスにおける情報伝達を調節。
- ホルモン作用: 血圧、血糖値、代謝の調整に寄与する。
- 感覚機能: 視覚、嗅覚、味覚に関与。
- 免疫応答: 炎症や免疫細胞の活性化に関与。





コメント