アラビノース

アラビノースは、単糖（五炭糖）の一種であり、分子式はC₅H₁₀O₅である。天然に存在する糖の中でも比較的よく知られた糖であり、植物由来の多糖類に含まれることが多い。

アラビノースの特徴

1. 構造:
   • アラビノースは、5つの炭素原子を有するアルドース（アルデヒド基を持つ糖）に分類される。
   • 鏡像異性体として、D-アラビノースとL-アラビノースが存在する。
   • L-アラビノースは天然に存在することが多く、植物細胞壁の成分として広く見られる。
2. 環状型と直鎖型:
   • 水溶液中では、アラビノースは直鎖型と環状型（フラノース型、ピラノース型）の平衡状態をとる。
3. 溶解性:
   • アラビノースは水に可溶であり、甘みを有する糖である。

アラビノースの生理的役割と用途

1. 植物由来の成分:
   • アラビノースは、植物細胞壁の構成成分であるヘミセルロースやペクチンに含まれている。
2. 代謝と分解:
   • 微生物や一部の生物では、アラビノースを分解してエネルギー源として利用する能力がある。
3. 食品および工業用途:
   • アラビノースは食品添加物として使用され、甘味料や低カロリー食品の成分として注目されている。
   • また、ペクチンやガムの分解生成物として抽出されることがある。
4. 糖の代謝研究:
   • アラビノースは、遺伝子発現の制御や代謝研究のモデル分子として利用されることがある。