BMI(Body Mass Index, 体格指数)は、個人の体重と身長の関係を基にして体格を評価する指標である。肥満や低体重など、体重に関連する健康リスクを簡易的に判断するために用いられる。
1. 基本情報
- 計算式:体重(kg)/身長(m)2
- 単位: kg/m²
- 評価基準(世界保健機関(WHO)基準):
- 18.5未満: 低体重
- 18.5~24.9: 標準体重
- 25.0~29.9: 過体重(前肥満)
- 30.0以上: 肥満
- 30.0~34.9: 肥満(1度)
- 35.0~39.9: 肥満(2度)
- 40.0以上: 肥満(3度)
2. 利用目的
BMIは以下の目的で広く使用されている
- 肥満のスクリーニング: 肥満に関連する疾患リスク(糖尿病、心血管疾患など)を評価する。
- 低体重の評価: 栄養失調や健康問題のリスクを確認する。
- 健康管理: 一般的な体重管理の目安として利用される。
3. 特徴と注意点
3.1 メリット
- 計算が簡単で、特別な装置や条件を必要としない。
- 世界中で広く使用されており、標準化された指標として普及している。
3.2 限界
- 体組成を考慮しない: 筋肉量や脂肪分布を反映しないため、筋肉質の人が過体重と評価される場合がある。
- 年齢や性別に依存しない評価: 年齢や性別による体脂肪率の違いを考慮しない。
- 肥満のタイプを区別できない: 内臓脂肪型肥満(メタボリックシンドローム)と皮下脂肪型肥満を区別できない。
4. BMIと健康リスク
BMIの値に応じて以下のような健康リスクが指摘されています:
- 低体重(18.5未満):
- 栄養不足、骨粗しょう症、免疫力低下のリスクが増加。
- 標準体重(18.5~24.9):
- 健康的な体重範囲とされ、疾患リスクが最も低いとされる。
- 過体重(25.0以上):
- 高血圧、糖尿病、心疾患、脳卒中などのリスクが増加。
- 肥満(30.0以上):
- 上記リスクに加え、がんや関節炎、睡眠時無呼吸症候群の発症リスクがさらに高まる。
5. BMIの地域差と別基準
- アジア人は欧米人よりもBMIが低くても肥満関連疾患のリスクが高い傾向があるため、アジア特有の基準が設けられることもあります。
例: 日本肥満学会では BMI 25以上を肥満と定義している。
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