糖新生(Gluconeogenesis)とは、糖質以外の物質(非糖物質)からグルコースを新たに合成する代謝経路である。このプロセスは、主に肝臓と腎臓で行われ、体内でのエネルギー源であるグルコースが不足した場合に重要な役割を果たしている。
糖新生の意義
- 血糖値の維持
- グルコースが主なエネルギー源である脳や赤血球に供給するため、空腹時や絶食時に糖新生が活性化される。
- エネルギー代謝の補助
基質(材料)
糖新生は以下の非糖物質を基質として利用する。
- 乳酸(解糖系で生成される副産物)
- コリ回路(Cori Cycle)を介して糖新生に供給される。
- アミノ酸(特にアラニンやグルタミン)
- タンパク質が分解されることで供給される。
- グリセロール(脂肪の分解産物)
- トリグリセリドの分解によって供給される。
糖新生の主な経路
糖新生は、解糖系の逆反応に近い経路で進むが、不可逆的な反応に対しては特定の酵素が利用される。
- ピルビン酸 → オキサロ酢酸 → リンゴ酸(ミトコンドリア内)
- 酵素:ピルビン酸カルボキシラーゼ
- リンゴ酸 → オキサロ酢酸 → ホスホエノールピルビン酸(PEP)(細胞質内)
- 酵素:ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ(PEPCK)
- フルクトース1,6-ビスリン酸 → フルクトース6-リン酸
- 酵素:フルクトース1,6-ビスホスファターゼ
- グルコース6-リン酸 → グルコース
- 酵素:グルコース6-ホスファターゼ(肝臓と腎臓で発現)
糖新生の調節
糖新生はホルモンによって制御される。
- 促進するホルモン
- 抑制するホルモン
- インスリン:血糖値が高いときに分泌され、糖新生を抑制する。
臨床的意義
糖新生の異常は、代謝性疾患の発生や進行に関与する。
- 糖尿病
- 糖尿病では、肝臓での糖新生が過剰に活性化され、高血糖の原因となる。
- 絶食や飢餓
- 絶食時、糖新生は血糖値を維持するための生命維持機能として重要となる。




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