IgM(免疫グロブリンM)は、免疫系が産生する抗体(免疫グロブリン)の一種で、感染や異物に対する免疫応答の初期段階で主に働く。IgMは、抗体の中で最初に産生されるものであり、迅速に病原体を認識して中和する役割を果たす。
IgMの特徴
- 分子構造
- IgMは通常、五量体(5つの抗体単位が結合した形)として存在する。
- 五量体構造により、10個の抗原結合部位を持ち、強い抗原結合能を発揮する。
- 産生
- B細胞が抗原を認識した直後に、最初に分泌される抗体がIgMである。
- 感染の初期段階において迅速な防御を提供する。
IgMの機能
- 初期免疫応答
- 感染や異物侵入に対して最初に産生され、病原体を迅速に認識・中和。
- 急性感染症や初感染の際に血中IgM濃度が上昇する。
- 補体の活性化
- IgMは補体を効率的に活性化し、古典経路を介して病原体の溶解や食細胞による貪食を促進する。
- 凝集作用
- 五量体構造により、病原体や異物を複数同時に結合して凝集(アグリゲーション)させ、感染部位での効率的な排除を手助けする。
- B細胞受容体(BCR)
- IgMは、未成熟B細胞の表面に膜結合型として存在し、抗原認識の役割を果たす。
IgMと他の抗体の比較
| 特徴 | IgM | IgG |
|---|---|---|
| 産生時期 | 初期免疫応答 | 二次免疫応答 |
| 分子構造 | 五量体(高分子量) | 単量体(低分子量) |
| 機能 | 補体活性化、凝集、初期防御 | 長期的免疫、感染の記憶 |
IgMは免疫応答の最前線で病原体を迅速に排除する役割を果たし、補体活性化や凝集作用によって体内の感染制御に重要な役割を果たす。




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