◉名称、化学構造
一般名:シタグリプチンリン酸塩水和物
商品名:グラクティブ、ジャヌビア
◉分類
選択的DPP-4阻害剤
◉効能・効果
- 2 型糖尿病
◉薬理作用
インクレチンである glucagon-like peptide 1(GLP-1)及び glucose-dependent insulinotropic polypeptide(GIP)は、グルコース恒常性の維持にかかわるホルモンである。シタグリプチンは、DPP-4酵素を阻害し、インクレチンのDPP-4による分解を抑制する。活性型インクレチン濃度を上昇させることにより、血糖値依存的にインスリン分泌促進作用並びにグルカゴン濃度低下作用を増強し血糖コントロールを改善する。
◉使用する際の注意
- 本剤の使用にあたっては、患者に対し低血糖症状及びその対処方法について十分説明する。
- 本剤投与中は、血糖を定期的に検査するとともに、経過を十分に観察し、常に投与継続の必要性について注意を払う。本剤を 3 ヵ月投与しても効果が不十分な場合、より適切と考えられる治療への変更を考慮する。
- 腎機能障害のある患者では本剤の排泄が遅延し血中濃度が上昇するおそれがあるので、腎機能を定期的に検査することが望ましい。
- 急性膵炎があらわれることがあるので、持続的な激しい腹痛、嘔吐等の初期症状があらわれた場合には、速やかに医師の診察を受けるよう患者に指導する。
- 低血糖症状を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与するときには注意する。
◉体内動態
代謝を受けにくく、主に未変化体として尿中に排泄される
◉相互作用
◉薬力学的相互作用の要因
- 血糖降下作用を示す薬剤(糖尿病治療薬、β受容体遮断剤等)の作用が増強する
- 血糖降下を減弱させる薬剤(アドレナリン、甲状腺ホルモン、副腎皮質ホルモン)により本剤の作用が減弱する
◉副作用
◉主な副作用
低血糖症、便秘など
◉重大な副作用[初期症状]
アナフィラキシー反応 [呼吸困難、蕁麻疹、目や口唇周囲の腫れ] 皮膚粘膜眼症候群、剥脱性皮膚炎 [発熱、紅斑、眼の充血] 低血糖 [寒気、空腹感、手足のふるえ] 肝機能障害、黄疸 [食欲不振、全身倦怠感、皮膚や白目が黄色くなる] 急性腎障害 [尿量減少、全身のむくみ、倦怠感] 急性膵炎 [激しい上腹部の痛み、腰背部の痛み、吐き気] 間質性肺炎 [発熱、から咳、呼吸困難]腸閉塞 [排便の停止、腹痛、腹部膨満感] 横紋筋融解症 [手足の筋肉の痛み、こわばり、しびれ] 血小板減少 [出血が止まりにくい、あおあざができる、皮下出血] [水ぶくれ、びらん、紅斑類天疱瘡 ]
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